【1970年代】ブキット事件

1970年8月19日、マレーシアのペナン島にあるブキット・ムルタヤム地区で、6人の小学生が小型のUFOと小さな宇宙人を目撃した事件である。

【事件の経緯】
その日の夕方、ストーウェル小学校の生徒6名 ―モハマド・ツルキフィ(当時11歳)、アブドゥル・ラヒム(10歳)、デイビッド・タン(9歳)、スライマーン(10歳)、ヴィクーネスワラン(10歳)、モハマド・アリ(8歳)―が学校近くの茂みで遊んでいたところ、スープ皿のぐらいの大きさの円盤が彼らの近くに降り立った。
そして、中から恐ろしい形相をした体長3インチほどの小さな宇宙人が5人出てきた。宇宙人のリーダーと思われる者は星のついた黄色いスーツを着ており、あとの4人は青いユニフォームを着ていた。また、頭には2本の角のようなものがあり、手には小さなレーザー銃を持っていたという。
6人の児童はそれらの宇宙人を捕まえようとしたが、宇宙人は素早い動きでレーザー銃を構えると発砲してきた。児童の1人モハマド・アリは、このとき手(一説によると頭、もしくは太腿)を撃たれたという。子供たちは恐ろしくなり、その場から逃げ、すぐに学校の先生に事件を報告したという。
撃たれたモハマド・アリが校長先生(Ooi Keat Guan)に語ったところによると、宇宙人の撃ったレーザーは手に命中したがほとんど痛くなかった(一説によると、太腿に傷ができた)という。

さらに、事件の翌日の8月20日午前6時30分頃、目撃した児童数名が再度事件現場へ足を運んでみると、前日と同様に小型のUFOと小さな宇宙人の姿を確認することができた。彼らは木の枝にアンテナのようなものを取り付けようとしていたという。
その後、目撃者の1人であるスライマーンが同日11時頃に現場を確認したところ、UFOと宇宙人は姿を消していた。そこには何の痕跡も残されていなかったという。

このニュースが現地で報道されると、何百人もの人々が小学校に押し寄せる大騒動になったという。

【備考】
1960年代から1970年代にかけて、マレーシアでは小型のUFOと小さな宇宙人が頻繁に目撃されている。そのほとんどが小学校の近くで小学生によって目撃されたものである。
目撃される宇宙人は体長3~7インチほどで、人間に近い容貌をしており、ほとんどの場合光線銃で武装した姿で現れるという。それらの中には、片腕しかない宇宙人や、髪の長い女性と思われる宇宙人もいたとされる。また、一部頭が大きい者や目が丸い形をしている者もいたという。
尚、UFOは2フィートほどの円盤型であることが多く、大きいものでもタイヤくらいの大きさだったという。

世間ではこれらの事件を子供たちの想像の産物であると捉えていたようである。また政府がこれらの事件に関心を寄せることはなかったという。

これらの連続した小型のUFO・宇宙人目撃事件は、1979年11月にアフマド・ジャマルディンがMUFON UFO Journal(No.141)において詳細を発表している。アフマドはその中で、マレーシアが地震の少ない国であり、磁気的に超小型のUFOしか着陸できない可能性を指摘している。

【事件現場へのアクセス】
事件のあったペナン島は、マレー半島の西海岸に浮かぶ島で、マレーシアの首都クアラルンプールから北西に350kmほどのところにある。東洋の真珠とも呼ばれる美しい島で、マレーシア随一の観光地でもある。
マレー半島とは13.5kmのペナン・ブリッジで結ばれているほか、フェリーも頻繁に運航しているが、島にはペナン国際空港があるため空路を利用すると便利である。日本からの直行便はないので、クアラルンプールかシンガポール、香港などで乗り継ぎが必要である。