1973年10月17日にアメリカ合衆国アラバマ州フォークビルにおいて、地元の警察署長が銀色の謎の宇宙人の撮影に成功した事件である。
なお、この事件の一週間前にはかの有名なアブダクション(宇宙人による拉致)事件『パスカグーラ事件』発生している・

事件が発生した夜、のちに宇宙人の写真を撮影するKとになるフォークビルの警察署長ジェフ・グリーンボウは勤務を終えた後、自宅に戻り妻と静かな一時を過ごしていた。

しかし、一本の電話によりって幸せな時間は敗れる事となる。
電話に出ると、受話器の向こうから興奮した様子の女性の声が聞こえた。彼女は自身の名を名乗る事なく、いきなり次の事を叫びはじめたのである。
「大変です!ボビー・サマーフォード氏の土地にUFOが着陸しているんです!」
この知らせを聞き、驚いた若き署長は家にあったポラロイドカメラを手に、すぐさまトラックで現地に向かった。

では、なぜ警察署長である彼がポラロイドカメラを手に現場に向かったのか?
実は、この70年代はアメリカ中でUFOが目撃されるという、いわゆる『UFOブーム』の真っただ中だった。彼の前にも、警察官が宇宙人の姿を撮影していた他、一週間前におきたアブダクション事件もあり、彼もまたこのUFOの姿を証拠に残してやろうとしたのである。

そうして愛車のトラックを飛ばした後、通報のあった場所に着いたのは午後10時。到着した警察署長はボビー・サマーフォード氏の敷地内を調べたのだがUFOはもとより、その痕跡を一つも発見する事はできなかった。

その後、仕方なく帰る前にトラックで周辺を一回りしてみたところ、20mほど先の道に立っている人影にきがついた。

署長はトラックを降り、大声で呼びかけたが、反応がなかった。
そして、その物体から5m程の距離に迫ったとき、署長は大きな勘違いをしていたことに気が付いた。
その人間は人間ではなかった。銀色の膜のようなスーツで全身が覆われた宇宙人。その姿を、後に警察署長は『宇宙服を着た猿の様だった』と述べている。
咄嗟に手にしていたポラロイドカメラを構えシャッターを切ると、ストロボに驚いたのか、その宇宙人はその場からいちもくさんに逃げ出してしまった。動きはどこか機械的であり、頭にはアンテナの様なものが光っていた。
この時、警察署長は4枚の写真を撮影する事に成功。だが、撮影にのめりこみすぎたせいか、宇宙人の追跡には失敗し、銀色の猿はどこかに消え失せてしまったという。
後に、警察署長はこの宇宙人の様子をこう語っている。
「頭と首が一体になっているようだった。水銀で磨いたように輝き、光を浴びたガラスのようになめらかだった。それがアルミホイルであったとは思えない。」
さらに署長は逃げる宇宙人の速度について「これまでにあったどんな人間よりも速く走っていた」と述べている。

しかしこの事件の後、警察署長という立場のせいであったのか、彼は町の人々から嘲笑されはじめ、ついには脅迫電話まで受ける事となる。
また、なぜか事件後に彼の家で火災が発生し、マイホームが全焼。妻とも別居するはめになるばかりか、町議会までが彼を叱責した。

警察署長は後に「銀色の宇宙人に出会わなければ良かった」と述べており、この宇宙人との遭遇を報告した事を酷く悔やんだとされている。

しかし、この時撮影された宇宙人の姿は鮮明でもあり、彼のその後の不遇さが逆にこの宇宙人の存在を隠そうとする何者かの仕業だったのでは?といった説も持ち上がった事から、この事件はUFOを語る上でもかかせない事件となり、この宇宙人は後に「Tinfoil Alien(スズ箔の宇宙人)」と呼ばれることとなった。