【1948年】イースタン航空機事件

イースタン航空機事件とは1948年7月24日に民間の旅客機がフライト中に筒状の巨大な未確認飛行物体とニアミスをしたという事件である。
事件名となっているイースタン航空機とは民間の航空会社の名称であり、この会社の保有する旅客機576便が巨大な未確認飛行物体とニアミスした。

その未確認飛行物体は直径がおよそ10メートル、長さは30メートルと非常に巨大な物体であるにも関わらず翼のようなものは一切ない筒状の形状をしていたと報告されている。

事件が起きたのは1948年7月24日午前2時45分、場所はアラバマ州のモンゴメリーから南西に約32キロ付近の上空とされている。
アラバマ上空をフライト中であったイースタン航空の旅客機576便は、午前2時45分に機長と副操縦士が操縦室から上記の巨大な未確認飛行物体を目視確認した。
この未確認飛行物体はすごい勢いで旅客機に向って飛んできており、このままではぶつかると判断した副操縦士は機体を急旋回してなんとか衝突を回避した。
この時、副操縦士はこの巨大な飛行物体を、最初はジェット機だと思ったと証言している。
その物体は非常に強い光を放っており形状は筒状で、その最後部からは長い尾のような青白い炎を噴出していたという。

このような非常に巨大で光り輝く飛行物体であるにもかかわらず、午前2時という時間帯のためにそれを目撃した乗客は一人の男性しかいなかった。
その男性の証言では、今まで見た事も無いような巨大な飛行物体で、非常に強烈な光だったとの記録が残っている。

この報告をイースタン航空から受けた軍の未確認飛行物体、いわゆるUFOの調査機関は、この飛行物体はロケットであると断定して発表するとともに、外国が秘密裏に開発した新型の兵器の可能性があるという見解を示唆して一時話題となった。

ちなみにこの飛行物体を目撃した機長と副操縦士と乗客の三人に飛行物体の絵を描かせたところ、巨大な筒状といいう点は三人一致しているが、副操縦士の絵は四角い窓のようなものが並んでいるように描かれ、さらに機長の絵には筒の縦横に規則的なラインのようなものが描かれていた。
この二つの特徴はどちらもこの飛行物体が人工物であるという可能性を示唆するものではないかという意見は当時根強かった。

この事件が起きた1948年という年は、ゴーマン少尉事件、マンテル大尉事件、という二つの今なお歴史に残る未確認飛行物体の目撃事件が起きている年でもある。
しかしどの事件も最終的には政府の公式発表でUFOの可能性は否定されている。
そしてそれらの事件と今回のイースタン航空機での事件の記録は、目撃者の描いた絵、そして軍の公式見解の記録が残るのみで、写真のような決定的な証拠となる記録は残っていない。

証言に基づく飛行物体の大きさは直径が約10メートル、長さが約30メートルの筒状とされている。現代の科学で考えるとこの大きさは、地球の周りを周回している各国の人工衛星がかなり近い大きさである。

もちろん1948年には人工衛星など一つも存在は確認されておらず、当時の研究者は軍のUFO研究機関も含めて、イースタン航空が遭遇した強大な未確認飛行物体は、かなり大きな隕石ではないかという意見が大勢を占めた。
強烈な光を放っていたという点も隕石の特徴に一致する条件といえる。
今でもイースタン航空が遭遇した飛行物体は本物のUFOだったと主張する専門家は少数ながら存在するが、隕石説が現状で一番有力な説となっている。