【1972年】米軍対UFO戦闘実況事件

「これは演習ではない。本物の戦闘だ!」。自宅で電話中にこんな音声が入ってきたら、周辺がいきなり戦場に様変わりしたようでパニックに陥るかもしれない。幻聴かと疑う気持ちにもなるだろう。しかし、実際にUFOが絡むそんな事件が起こったことがある。
事件はオクラホマ州オクラホマシティに住むロイ・パーカー夫人が、近所に暮らす娘のシェリー・エッカートと電話で話している最中に発生した。電話が混線し、突然緊迫した会話が2人の耳に飛び込んできたのだ。やがて、一方の声の主は北米航空宇宙防衛司令部(NORAD9の関係者で、太平洋とメキシコ湾から正体不明の飛行物体が侵入したため、各地から戦闘機を発進させているという差し迫った状況の通信であるのを知る。さらに、戦闘機が戦いを挑んでいるのがUFOであること、米空軍史上で最高速度を誇るF104型機が2機撃墜されたことを聞く。反対に、UFOを2機撃ち落したという通信も入ったという。通信の最後には、当時のニクソンまでが会話に登場。「これは私がかけねばならぬ最も異常で、歴史的な電話になるかもしれない」と緊張した声で話していたと、エッカート夫妻は証言しています。
本当に戦闘はあったのか。米政府は事件を記事にした地元新聞社からの問いを、「ばかばかしい」と一笑にふした。だが、オクラホマ市内の電話会社は、NORADの通信幹線回路と一般家庭の回路が市内で合流していることを認めた。つまり、混線の末に通信が漏れる可能性を示唆したのだ。さらに、事件の夜にロサンゼルスで空中から炎に包まれ落下する飛行物体を、旅行者が8ミリカメラに収めていた。連邦航空局がスミソニアン研究所流星追跡ネットワークは、その夜に該当地点に墜落した航空機、人工衛星、流星はなかったと断言。だとすると、ロイ・パーカー夫人とエッカート夫妻が聞いたのは、ここで起こっていた戦闘の実況だったのだろうか。