【実話】男たちは22世紀を迎えられない

本当の話なのでオチはないし、怖くないかもしれません。
ただ、一部の女性や多くの男性にはかなり不快な内容ですので、
不妊や母乳が出ないことに悩む女性、あるいは男性はお読みにならないことを強くお勧めします。

皆さん、「絶対に女性にしかできないこと」を考えてみてください。
出産、授乳、排卵ですよね。
次に、「絶対に男性にしかできないこと」を考えてみてください。
射精くらいですね。

 生きる意味を「生殖」に限定して議論する場合(※公の場ではこんな議論すべきではありません)、妊娠に成功すると同時に、男の生きる意味は失われます。
そして出産し、子供が乳離れするまで、女性は生きる意味を失いません。

 反対に、生きる意味が「生殖」以外にあるとして議論する場合、女性が苦しい思いして出産することは「生きる上で無駄な行為」となってしまいます。
その無駄で苦しい行為に1年間を奪われる女性たちにとって、腹を痛めることの無い男は憎悪や嫉妬の対象となってしまいます。

 ところで、皆さんはクローンという技術をご存知だと思います。全く同じ人間のコピーを作れてしまう方法です。
しかし、その具体的な仕組みについてはご存知ない方が大多数ではないでしょうか。

 クローン人間をつくるには、女性Aさんの卵子から核を取り除き、そこにBさんの皮膚などから取り出した別の核を移植して「受精卵のようなもの」にします。
この受精卵のようなものをAさんの子宮に戻して着床させると、成長してクローン人間になり、Bさんのコピーが出来上がるというものです。

 お気づき頂けましたでしょうか。Aさんは必ず女性であるのに対し、Bさんは女性でも男性でも構わないのです。
「受精卵のようなもの」といいましたが、これは、精子を受け取った卵ではありません。
皮膚でもなんでも、精子の代わりとして成立してしまいます。

 つまり、男性にしかできないこととして唯一挙げられた「射精」にすら、生殖をおこなう上で重要な意味などないのです。

 茸やアメーバなどは「無性生殖」をおこないます。言ってみればこれらの生き物にはメスしかいません。
オスが存在するのは「有性生殖」の場合のみです。有性生殖というのは、出会いがない限り生殖できない方法ですから非効率的です。

 それでも有性生殖が存在するのは、病気などでその種が全滅しないよう、生殖のたびに遺伝子を変化させていく必要があるからです。

 つまり、遺伝子を人工的にいじる技術があれば、その技術とクローン技術を併用することで、無性生殖でも、有性生殖のメリットを実現できてしまうのです。
そして、その技術が「遺伝子組み換え」です。

 2039年、日本のとあるミサンドリスト(男性嫌悪主義者)が、クローンと遺伝子組み換えを併用した、「人類における女性のみで可能な無性生殖」という論文を発表しました。
その論文が出てすぐに、海外の倫理観の低い国において、独身女性たちの間で無性生殖がブームになりました。
無性生殖で生まれた女児はみなとんでもなく優秀です。都合よく「設計」されたのですから。

 無性生殖で生まれた子供たちの活動の結果、「クローン技術で人間を作ってはならない」といった倫理観は崩壊しました。それどころか「有性生殖は下品」という価値観が生じました。その結果、有性生殖しかできない男性も、同じように下品なものとして扱われるようになりました。

「何人も研究目的以外で男性を用いた生殖をおこなってはいけない」

そんな法律も出来ました。

 こんな話、信じてもらえないでしょうが、それは構いません。その代り、もしも2039年前後に「人類における女性のみで可能な無性生殖」などの論文が発表された場合、どうか信じてください。無性生殖では女性しか生まれないため男性は時代を追うたびに減少し、さらにこの減少は、研究利用のために男性を誘拐する団体の活動によって加速されています。僕も22世紀を迎えることは出来ないだろうと、覚悟を決めています。

2100年3月28日