1947年7月、アメリカ合衆国のニューメキシコ州ロズウェル付近に謎の物体が墜落するという事件が発生した。墜落したものはUFOとされ、そのUFOはやがてアメリカ軍によって回収されたという。そしてその事件のことを人々は「ロズウェル事件」と呼んでいる。これは全世界で史上最も有名になった未確認飛行物体に関する事件だとされる。ロズウェルは先程も記載したようにニューメキシコ州に存在していることから、バスや鉄道を乗り継げばたどり着けるが、実際にUFOが墜落したとされる場所を訪れようとすると少々難しいかも知れない。というのも、ロズウェル事件でUFOが墜落したと言われる現場は1ヶ所であるという説と、それとは違い実は2ヶ所であるといわれる説などがある上に、場所についても数多くの意見が飛び交っている状態なのだ。それゆえ、はっきり特定されていない。
 ではこのロズウェル事件、一体どのような話が噂として囁かれているのだろうか。まず、現場に残されたという謎の残骸についてだが、残骸の中にはアルミ箔のような金属片のようなものがあったかと思えば、それとは違いゴムひものような物質、さらには棒きれのようなものまでが存在していたと囁かれている。さらに、その金属片には花柄のような奇妙な模様が刻まれており、とても柔らかく試しに掌でぐしゃぐしゃに丸めたりしてみたところ、なんと手を離すのと同時にぐしゃぐしゃにする前と変わらない綺麗な状態にあっと言う間に戻ったというのだ。また、木材のようなものには紫色や桃色の塗料で不思議な言葉のようなものが記されていたが、その場にいる誰もがその言葉を解読することが出来なかったという。その木材は火を点けても燃えることがなく、おまけに煙のひとつさえ出なかったと噂される。なぜそのような具体的で奇妙な現象が噂として流れたかというと、墜落した現場が農夫の所持している畑だったということもあり、アメリカ軍がその未確認飛行物体を回収に訪れた際に必然的に目立ってしまい、近隣の住人や道行く人々が異変に気が付いてしまった。そして野次馬に集まった人々がその現場を目撃したというのだ。さらには実際にその残骸に手を触れたものまでいたという。そのような人々からの証言も合わさっていると考えると、残骸の素材などの信憑性は高いと言える。
 そしてこのロズウェル事件を、後々になってアメリカ軍は自ら解明し、その真相を「この前ロズウェルに墜落した飛行物体の件ですが、気象観測用の気球だということがわかりました。よって、未確認飛行物体などではありませんでした」と公表したのだ。確かにUFOというものがどういうものかハッキリとわかっていないことを踏まえても、空から落ちてきたそれを一言でUFOだと言い切るのには無理がある。アメリカ軍が出した表明の通り「未確認飛行物体ではなく気象観測用の気球だった」ととらえる方がごく自然なことのようにも思えてしまう。
だが、このロズウェル事件には忘れてはいけない、もう一つの怖い話があるのだ。それは、アメリカ軍がその墜落した飛行物体を回収した後、目撃した人々に向かって「一族そろって皆殺しになりたくないのだったら、今回のこの事件に関することは一切他言無用にすることだ」と念を押したという話が存在するということだ。ここでよく考えて欲しいのは、もしその墜落した物体が本当に観測用の気球だったと憶測がついていたのだったら、アメリカ軍がそのような圧力をかけるだろうか、ということだ。恐らく、墜落物体を一目見たときからアメリカ軍は「これは本物のUFOだ」ということを把握していたものと思われる。だからこそ、目撃した人々に死を連想させるような念の押し方をしたのだろう。