スオネンヨキUFOとはフィンランドで起きたUFO目撃事件である。

事件は1979年3月10日夕刻、フィンランドのスオネンヨキで起きた。

スオネンヨキは人口7000千人ほどの小さな街であり、フィンランド有数のイチゴの産地として全国的にその名が知られている。
1940年代からイチゴ栽培が盛んになったとされ、収穫を迎える夏には毎年、3日間にわたる大々的なイチゴカーニバルなる催しも開催される。
その他にも近くの湖のほとりには別荘地もあり、レジャースポットしてもフィンランドでは有名な場所えである。

このどかなスオネンキヨに住んでいるヤルモ・ニッカネンという地元の青年はその日の夕刻、自宅の周辺の自然を楽しみながら、ゆっくりと散歩を楽しんでいた。

その時、見慣れた林の中に、妙に金属的な光を見つけた。さらには、なぜかどこからか自分が監視されているような気配を感じ取っていた。
その後、かれは散歩をはやめに切り上げ自宅に戻った。先ほどの監視の気配はもう消えていたが、それでも背筋に残る不気味な感触と、林の奥に見た奇妙な光の事ばかり考えてしまい、夕食を取ったあとは、早めに就寝する事にした。

その日の深夜、妙な感覚に襲われ目を覚ました。胸騒ぎがして窓の外をみると、そこに突如として大きさ50cmほどのベル型のUFOが出現したというのである。
青年が見守る中、UFOはそのまま降下し、庭の上空で滞空しはじめた。
このUFOは上部に青い光、下部には赤い光を発していたという。

彼は庭佐々木にあらわれたこの奇妙な円形物体をカメラに収めるため撮影を試みたのだが、なぜかフラッシュが動作せず、この物体を撮影することができなかった。

撮影を諦めたかれは、結局好奇心には勝てず、恐る恐る寝室を出ると、一人懐中電灯を手にUFOに近付いた。

しかし、彼の姿に気が付いたのか、庭に出ると突然UFOは音も無く上昇し、空のはるか彼方に消えて去ってしまったのである。
だが、青年とこのUFOの関係はこれでは終わらなかった。

初めの遭遇から6日後、青年は家の付近で再びこの小型UFOに遭遇したのである。この時、青年は依然よりも冷静だった。前日の撮影失敗をに学び、いつ現れててもいいようにと常にカメラを携帯していた。そのためか、UFOが現れても大声などは上げず、じりじりとカメラを構えこのUFOに近づいた。しかし、彼の気配に感づいたのか、UFOはブンブンといった音を出しながら、強い光線を彼に照射してその場から逃げだしはじめた。今度こそ逃がしてなるものかと、彼はカメラ片手に必死にUFOを追いかけ、ついに林の中で潜みながらその姿を撮影するのに成功したのである。

その写真は白黒ではあったものの、確かに林の中に金属的な物体が浮かんでいるように見える。しかし、撮影された写真は少しボケ気味なのか、それとも林の中であったせいで露出が足りなかったのか、全体的にはっきりとせず、問題のUFOもあまり鮮明には写っていなかった。
そのため、電灯の笠を木に吊るしただけのように見えるという説も飛び出し、研究家によれば、この写真の信ぴょう性は低いとされている。

さらに70年代という時代は全世界を巻きこんだUFOブームの真っただ中である、その中ではUFO写真の贋作が数多く作られており、一つの一大産業としての役割を果たしていた。

そのため、今回の写真もそうしたブームの中で作られた偽物の一つであると思わている。
ただ、フィンランドとノルウェーは世界でも有数のUFOスポットと言う事もあり、バルト海沖に沈んでいる謎のUFOや、何百万人が目撃したという渦巻き状の謎の怪光などが目撃されている。

そうした理由から、この林の中に現れたUFOももしかすれば、UFOスポットノルウェーの一連の怪現象となんらかの関係があるのかもしれない。