ヨハニス事件は1947年8月14日に起きた地球外生物との接触、つまり宇宙人を目撃したという体験報告である。
この事件の当事者であり目撃者のSF作家、ラプッジ・ルイジ・ヨハニス(以下、ヨハニス)は事件当時、近所の岩場で趣味の化石の発掘中に宇宙人と思われる生物を目撃し、それだけでなく一時的に接触を図ったという点で数ある宇宙人目撃事件の中でも奇異な例といえる。
ヨハニスは目撃した宇宙人の身体的特徴もかなり鮮明に記憶して証言している点も特筆に値するだろう。

事件は1947年8月14日の朝方に起きている。
イタリア北東部に位置するフリウル地方の小さな村に在住していたヨハニスはその日、近所にある岩場で趣味の化石発掘を行っていた。
その時のヨハニスは地質学用の小ぶりなつるはしとナップサックという軽装だった。

化石発掘に夢中になり、軽装にも関わらずつい深い谷のほうまで入り込んでしまっていたヨハニスは、前方にあった大きな岩山の上に日本のアンテナ状のものが伸びている赤いドームのような物体を発見した。
その赤いドームは自然物とは到底思えず、明らかな人工物的な建物に見えた。
そしてそこからさらに50メートルくらい離れた場所に生えている木立の陰に、二人の人陰があるのに気付く。

気になって近づいてみるにつれて、それが普通の人間とは少し違う風体であることに驚くヨハニスだった。
まず二人とも身長が1メートルも満たない小柄で、よく見ると顔の皮膚は爬虫類のような緑色だった。
さらにヨハニスは気づかれないように注意しながら近づいて、二人の不審者をさらに詳細に観察してみると、二つの目は爬虫類のように離れて位置し、さらに驚くことに両手の指はそれぞれ8本だった。
そして光沢のあるの不思議な材質の紺色の服を着ていて、その服は体にピッチリ付くタイツ状のもの、頭には茶色の帽子をかぶっていた。

この時点からヨハニスは今自分が観察してる二体の不可思議な生き物が、地球外生命、いわゆる宇宙人であるのではないかと直感した。
その時のヨハニスはもちろん恐怖も感じていたが、それ以上にSF作家としての好奇心が大きく働き、意を決して隠れていた物陰から飛び出し宇宙人の目の前に立ったという。
結果的にこの突然の行動が相手をかなり驚かせ、狼狽させてしまった。
そしてヨハニスは言葉が通じるかどうかも半信半疑だったが、「キミたちは何者だい?何か困っているなら手助けするよ!」と彼らに語りかけた。

宇宙人はかなり驚き、慌てた様子で、腰につけていたベルトから光線のようなものが発射し、ヨハニスは撃たれてしまう。
撃たれたヨハニスは意識こそ失わなかったが身体が痺れて全く動けなかった。
そして宇宙人の一人がヨハニスが落としたつるはしとアルミ缶やフォークなどの荷物を拾い上げ、二人の宇宙人は岩山のほうにある赤いドームに走り、入っていった。
そしてその赤いドームは突然空中に飛び上り、ヨハニスの真上でしばらく停止し、やがて急速にそこから飛び去った。
それからヨハニスが痺れたからだから回復して起き上れるまでに数時間はかかったそうだ。

以上がSF作家、ラプッジ・ルイジ・ヨハニスが宇宙人を目撃し、一時的に接触を実現したという歴史的にも大変珍しい宇宙人とのファーストコンタクトの経験を本人の証言に基づいて記録した「ヨハニス事件」である。
UFOや宇宙人の目撃情報は世界中から多数報告されているが、一時的とはいえ接触を図ったという点で、この「ヨハニス事件」は非常に生々しい体験記として数ある宇宙人関係の事件の中でもインパクトは大きい。