クロケル(クロセル、プロケル、プケル、ポケル)

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クロケル(Crokel)は、クロセル(Crocell)、プロケル(Procel)、プケル(Pucel)、ポケル(Pocel)とも呼ばれている悪魔学における悪魔の一人である。
17世紀から伝わるとされる作者不明のグリモワール( フランス語で魔術の書物) 「レメゲトン」の第一書の表題であるゴエティア(Goetia)によると、地獄の48軍団を従える序列49番目の偉大なる公爵であると伝えられている。
第三代イスラエル王であったソロモンが、英知をもって支配していたソロモンの72柱の魔神のうちの一柱とされていて、地獄の公爵である。
召喚者に呼び出された時に見せる姿は、銀の髪と金色の猫のような目を持つ黒衣の天使の姿をとるとされている。
手には決して溶けることのない氷の剣を持つとされ、この剣でつけられた傷は治ることはなく、凍傷で最後には腐ってしまうといわれる。
この天使の姿をとるとされている理由は、ソロモン王に対しクロケルが能天使の位にあったと明言したとされているからであり、能天使(Exusiai:エクスシアイ、英語でPower、Powers)とは神学に基づく天使の階級において、第6位の天使達の総称である。
カトリックにおいては神の掟を正しく実行にうつす働きを司る能力の天使とされ、神に対して加えられた侮辱をつぐなう方法を教えるとされる。
また、文芸作品の中ではデュミナス(Dynamis)、ポアンティス(Potentiates)とも呼ばれており、神の命により天に背いた悪魔達を滅ぼす役目を持つとされている。
よく知られている天使の名としては、ラフェルやカマエルなどがこれにあたる。
悪魔を滅ぼすことが任務のため、そのためとはいえ悪魔と接することが多くなる事で、天使の中でも、とても堕天使になりやすい地位といわれている。
この地位にクロケルは堕天使となる前は着いていたとされていて、一説では天使の地位を持ちながらもソロモン王につかえ、悪に加担しているといわれている。
召喚者の前に現れる時に、川の本流を流れる水の音をたてるとされていて、それはクロケルの本来の姿が河神であるからだともいわれている。
河神とは奔流の化身である長蛇のことで、多くの神話において竜の姿であらわされているため、天使の姿で現れるのだが、本来の姿はドラゴンであるといわれている。
トルコ北東部の山地を源流として西アジアを流れる大河、ユーフラテス川(Euphrates)の水神であったとされる。
能力として水を操ることに長けており、水の流れを支配することで荒れた海を静めたり、大水が押し寄せる轟音を幻聴として聞かせることもできるという。
「浴槽の公爵」という呼び名があり、温泉を見つけ発掘することができるといわれていて、それは人間の隠された才能を見つけだすことができるということの比喩だともされている。
芸術を好み、幾何学や教養学に長けるとされていて、そのうえ科学全般にも詳しく、特に数学を専門としているらしく、それらの知識を教えることによって召喚者の埋もれた才能を発掘する能力があるといわれている。
天界における支配領域は、夜間の獅子宮0度から10度されている。
この支配領域というのは天魔占星術という出生時の星座や日時によってソロモン72柱の悪魔達が守護天魔とされている占星術である。
現実の星座名を宮であらわし、毎年の春分点を基点に黄道上の星座郡を12分割したもので、0度から10度いうのは各惑星の位置を示している。
これによるとプロケルは、残虐、暴力、放蕩、欲望を司るといわれている。