東京都八王子市元八王子町3

八王子城跡

かつての城主、北条氏照率は豊臣勢との戦に破れ、女子供までも近くの御主殿の滝にて、自らの喉を短刀で突き、滝壺に身を投げたとされている。その滝の水は、死体から流れ出る血で3日間赤く染まったと言われている。

この城は戦国時代の武将、北条氏照が建てたものであり、戦国時代の爪痕を残す貴重な資料としてその痕跡を残している。時は戦国時代、城主の北条氏照と家臣の殆どは小田原の合戦に出向いており、場内には1000にあまりの女子供や農民が篭城していた。そこに現れたのは、豊臣秀吉の軍勢、上杉景勝・前田利家・真田昌幸ら15000人もの軍勢で、多勢に無勢なこの状況を覆すことは到底叶わず、わずか一日にして陥落してしまったと言われる。その時場内にいた者たちは、無残な殺され方をしたり、仕打ちに耐えかねて自害したりとその多くが死んでいったという。当時は、降伏させて無血開城を狙うという戦法が主流であったが、八王子城の戦いは見せしめの意味で降伏することすら許されずに、殺されていった。その多くが非戦闘民であったにも関わらずだ。その一方で、小田原城の戦いに参加していた兵士たちの士気を削ぐ目的で、その者達の家族の首を晒し、戦いを有利に導こうとしていたのだった。兵士達の妻子は家族の足でまといにならないようにと、自らの喉を切り、御主殿の滝に身を投じた。そのため、滝壺は三日三晩赤く染まったという。
こうした無念の内に死んでいった霊たちが多いこの地は、全国的にも有数の心霊スポットとして有名で、数多くの心霊現象が確認されている。先ほどの御主殿の滝がその中心となる場所で、女性や武士の姿をはじめとして、生首などの目撃例が後を絶たないという。無残な死を遂げた霊を慰めるために、毎年旧暦の落城の日(現在の8月10日ぐらい)には、決して城址には近づかず、川が赤く染まったことに由来して、赤飯を炊いて死者を供養する習慣が今でも続いているそうだ。
八王子城址への行き方は、JR中央線、京王高尾線の「高尾駅」を下車し、南口から出ている西東京バス「八王子城跡」行きに乗り、終点降車して徒歩約1時間の所にある。バスは午前6時台から午後7時までで1時間に約1本のペースで出ている。
この場所は肝試しや、興味本位で近づく者も多く、何らかの霊的な体験をして恐る恐る逃げ帰るといった体験談も多い。その多くは、女性がすすり泣くような「ううぅぅぅ…」という声を聞いたり、滝上から射るような視線を感じたりしているようだ。また、武士や着物を着た女性の姿の目撃例も多く寄せられている。また、城内に入る際には門番も霊もいると言われていて、多少の霊感がある人ならば、その霊が今入ってよいのかダメなのかを知ることができるそうだ。この体験を公開した主は、以前別の場所でも心霊スポットの入口に立つ門番のような霊がいる場所へ行き、その霊の入ってはダメだという警告を無視したがためにひどい目に遭ったという。
ある体験者の話によれば、この城の入口をくぐった際に非常に空気が重くなり、探索中にずっと付きまとわえるような感覚に襲われたと話しており、ガサガサとものが動くような気配がしていたというのだ。無念のうちに殺されたた武士や、家族を想い自害した婦女子たちの遺恨がまだ残っていると話す者もいる。昼間は名勝地として日本の名城100選にも選ばれている八王子城であるが、夜になると一変恐怖の心霊スポットへとその姿を豹変させるのである。面白半分でここを訪れる人も多いのであるが、願わくばここに眠る霊たちの怒りに触れることのないようにしてもらいたい。
また、この周辺は心霊スポットが密集している場所でもあり、八王子霊園や道了堂跡、八王子トンネルなど、様々な心霊現象が見られる場所が数多くある。