北海道札幌市豊平区西岡487−2

西岡水源池

入水自殺があったらしく、それが起因してか水面に無数の手が見えるなど、数々の目撃談がある。

西岡水源地とは、札幌市豊平区西岡にある貯水池である。

現在は周囲に自然公園が出来ており、西岡公園とも呼ばれている。
公園の南側に湿原を通る木道が作られている。自然に親しむことを目的として作られている。公園の北の端にある広場以外は歩道と休憩所のほかに特別な施設や庭園はなく、湿原を通り抜けて南に出ると、約10キロメートルほどの道のりで講演東の山部川沿いに出る自然歩道の入り口がある。

この池はかつて旧陸軍の私設でもあり、建設したのは陸軍歩兵第25連隊。この水源地から水をひいた陸軍は、そのまま牧場や小学校などに水を供給した。

その後、後、1945年から豊平町の、1961年からは札幌市の上水道として利用された。1971年には上下水道の普及により水源は本来の役割を失い、現在は人々の癒しの場所として利用されている。

この公園の周囲は美しい山や閑静な住宅街でかこまれており、一見して恐ろしい場所には見えない。

しかし、西岡水源地は札幌でも三本の指に入る心霊スポットとして有名であり、この湖でなんらかの霊をを見たり、写真を撮影してしまったという話は絶えない。

特に、この貯水池に霊が現れるのは夜間とされる。 

夜になると、西岡公園の様子は変わる。
公園の北側にある遊歩道は水源地の周囲を歩けるようになっているが、この道を歩いていると、背後から何かを口走りながら歩く女が現れ、終始後を追いかけてくるという噂がある。この噂は、かつてテレビ番組でこの場所を取材した際に出現した霊といわれている。

遊歩道を歩くと、この公園に驚くほど照明が少ない事に気が付くだろう。そのため、夜になると水源地の水はまるで黒く淀んだように見える。かつて、この貯水池は『死体の上がらない湖』とも呼ばれていたこともあり、この湖の底には自殺、他殺を問わない多数の死体が沈んでいると言われる。

そして最も目撃情報が多いのが、貯水池の端にたつ奇妙な形の塔だ。赤い三角形の屋根に、白い壁の小さな家が、水中からつきでたレンガの塔の上にたっているこの建物は、かつて陸軍が設置した取水小屋といわれるものである。
国の登録有形文化財にも指定されているこの建物の周囲では、かつて殺人事件があったといわれており、その霊がこの塔の中に閉じ込められていて、ここで写真を撮影すると塔の中に居る筈の無い人影が写り込むというのだ。

また、ほかにもこの公園の休憩小屋では首つりがあったり、キャンプ場には人魂が現れるという噂がある。

こうしたことが多かったせいか、この公園内ににある長い階段を上った林の中には、ひっそりと祠が設置され、中にお不動さんが祭られている。地理的にも、丁度公園全体を見回せるような場所にあるため、この公園に現れる霊を鎮めるために立てられたとも言われている。

この西岡水源地への地元民への恐怖は凄まじく、中には日中ですら近づきたくないと言う人も言うほどである。

しかしながら、西岡水源池は非常に自然豊かな美しさも兼ね備えている。池の南方に湿原があり、この湿原では4月にミズバショウが咲く。貴重な動物達もすみ公園にはリス、やウサギの他、アライグマまで現れる。夏になるとホタルが多く見られるということで、子供づれのファミリーややカップルが訪れ、ホタルの柔らかな光が無数に飛び交う幻想的な風景を楽しんでいる。
また、最近では秋口や春になると周辺の山からクマが降りて来るとされ、相当な目撃情報がある。もしもそうした時期にこの公園に行く場合にはしっかりとした熊除けの装備をして、安全に楽しんでほしい。