高知県香美市土佐山田町西又

見返り橋

高知県土佐山田町にある見返り橋は、小さな橋だが高知県では有名な心霊スポットだ。四国で一番高い場所にあるという繁藤駅の近くにある。見返り橋では、橋の途中で後ろを振り返ると、長い髪の女性の霊が出没する、無数の白い手が伸びてきて体を掴まれる、事故にあうなどの心霊現象が起こっている。振り返らない限りは、心霊現象に遭遇しないとも言われる。

見返り橋へ行くには、南国市から国道32号線を大豊町方面に進むと、繁藤という地名が出現し、林道へ入る。橋へと続く林道の手前にある林道開通記念碑が目印になる。この記念碑を通り過ぎて車で数分走ると、赤い柵のある橋が見える。これが見返り橋だ。できたのは昭和48年で下を流れる川からの高さはそれほどない。

ここ見返り橋の周辺は、自然災害が多いことで知られる。それが地形的な問題なのか霊的な現象が原因なのかは分からないが、今から約40年前には悲惨な災害が起きている。1972年の7月5日、ここ土佐山田町繁藤で集中豪雨による土砂崩れが起こった。この土砂崩れで地元の消防団員の一人が生き埋めになったため救出作業が行なわれたのだが、このとき追廻山の中腹から170メートルに渡って土砂が崩壊した。この土砂はふもとまでなだれ込み、ふもとの住宅8戸を壊して国道を横切り、繁藤駅に駐車していた列車までも巻き込んだ。この土砂崩れによって、町の消防団員、私設消防団員、国鉄職員、住民、列車の乗客を含め約60人が死亡した。

そのためこの地域には、この災害で死亡したたくさんの人たちの怨霊が未だにさまよっていると言われる。見返り橋で起こる怪奇現象の原因も、この災害にあるのかもしれない。

見返り橋で実際に体験された心霊現象には以下のようなものがある。

ある若者グループは、興味本位から深夜にこの橋へいって、絶対にしてはいけないといわれるのに橋の途中で振り返ってしまった。すると橋の入り口で、顔が大きく崩れた女性が恐ろしい形相でこちらをにらんでいた。彼らは急いで橋を渡り終え、しばらくして橋にもう一度向かった。先ほど振り返ったときに見た霊は見えなかったため、今度は一目散に振り返らずに橋を渡り終え、そのまま車に乗り込んで逃げ帰った。しかしその中の数人は、7日間に渡って高熱にうなされたという。

また、この橋は昔から自殺者が絶えないという。しかし橋の高さは、確実に死亡できるほどはなく、自殺者は橋の柵にロープを結びつけて首つり自殺をするそうだ。しかも、普段はまったく元気な人が急にいなくなったかと思えば、この見返り橋で自殺していたというケースが多い。見返り橋で死んだ霊が、生きた人間を自殺へと誘っているのかもしれない。この橋の周辺は携帯が圏外になり、橋の先にも山頂への一本道しかない。見返り橋に近づくならば、誰かと一緒にいくことをおすすめする。

また別の男性は、心霊スポット巡りを趣味としており、遠方から夜間に見返り橋を訪れた。一人で橋を渡り、途中で面白半分で後ろを振り返ってみた。すると自分の顔のすぐ前に長い髪を乱し、この世のものではないような表情でこちらを睨みつける女性の顔があったという。急いで逃げようとしたが、その霊は地面をすごい速さではって追いかけてきて、男性の全速力にも追いついてきた。なんとか逃げることができたそうだが、そのままその男性は山の中で震えて、朝になるのを待ったという。

見返り橋は地元の住民ならば、絶対に行ってはならないと言う。それほど危険なスポットなのだ。