遊星からの物体X 閉ざされた世界での恐怖

「遊星からの物体X」は、ジョン・カーペンター監督のSFホラー映画です。舞台は南極の基地。男性ばかりの基地の隊員たちが、ノルウェー隊が謎の全滅をしたというニュースで調査に行きます。不気味な死体の残るノルウェー隊の基地。何かが宇宙から落ちてきたらしい、という跡だけを見て、謎をはらんだまま、彼らは自分の基地に戻ります。ノルウェー隊で生き残っていたので連れてきていた犬が、夜中に不気味な変身をして、見るもおぞましい姿になります。その怪物を「The Thing」と名付ける隊員たち。ところが、怪物の姿は伝染するのでした。怪物の体液に触れた者が、一見人間の姿を保っているものの、何かがあるとおぞましい「The Thing」に変身するのです。その怪物は火には弱いということをつきとめ、火炎放射器を使って退治するのですが、何よりも恐ろしいことは、もはや、隊員たちのうちの誰が「The Thing」になっているのかわからなくなっていることです。仲間がもしかしたら怪物なのかもしれない・・・隊員たちは協力しながらも、お互いに疑心暗鬼に陥ります。この怪物は、どうやら宇宙から落ちてきた巨大な円盤に乗って地球にやってきたらしいということだけ分かります。隊員たちは、誰が人間で、誰が「The Thing」であるのかを見極めようと、一人一人に火を近づけてみます。何人かが怪物に変身し、正体をあらわします。火炎放射器で怪物を倒す人間の隊員たち。怪物をこの南極で根絶やしにしなければ、やがて地球じゅうが怪物だらけになってしまう・・・。そんな不安が残ったまま、ストーリーが終わります。南極の基地という閉ざされた世界で、誰が怪物になっているか分からないという恐怖がせまってくる話でした。