キャリー キャリーが可哀想です

「キャリー」は、スティーブン・キングの処女作の小説を原作としたホラー映画です。高校生の少女キャリーは、支配的な魔女のような母親に支配されていて、内気な性格のため、学校ではいじめにあっています。次第に怒りを心の中にためていくキャリー。やがて、学校でパーティーが催され、キャリーもドレスを着て参加します。ところが、同じクラスのいじめっ子たちが、互いに相談して、わざとキャリーをその夜の女王に選ばれるようにしていたのでした。女王に選ばれ、華やかな舞台に立つキャリー。恥じらいながら笑顔を見せるキャリーの姿が可憐ですが、いじめっ子たちは、そのキャリーに頭からブタの血を浴びせます。血まみれになって舞台に立つキャリー。すべて自分に恥をかかせるための陰謀であったということを悟ったキャリーは、完全に怒りで心のコントロールを失います。実はキャリーは超能力を持っていて、怒りを感じると、火を呼び出すことができるのでした。キャリーの怒りの火が、学校を、そして街を襲います。おとなしく、いつもおどおどしていた、いじめられっ子のキャリーの怒りが爆発し、炎となって燃え盛っていました。この小さな町の大火事はニュースになります。キャリー自身も、キャリーの母親も、自らの怒りの炎につつまれ、滅びていってしまいます。キャリーの家のあとには、「地獄のキャリー」と書かれたいたずら書きが残っていました。キャリーを演じたシシー・スペイセクの可憐な表情が印象的で、怖さよりも、むしろキャリーの悲しい運命に哀れを感じたのでした。