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ハッシーとは1986年、岐阜県、羽島市 (はしまし) の長良川で、たった一度だけ目撃された謎の水棲生物であり、未確認生物(UMA)である。
UMA

 目撃されたのは1986年6月10日、岐阜県羽島市に流れている長良川。

目撃者は当時の岐南中学校教頭の大堀氏と岐阜市厚見中学教諭の武藤氏の二人だ。
彼らが羽島市桑原町西薮の長良川右岸道路を車で走行中、長良川の水面を泳ぐ黒い背びれを発見した。
驚いた2人が車を止めて観察すると、川の中央にエイに似た焦げ茶色の巨大な影が浮かび上がってきたという。

体長は2メートルほどだったという。
横腹は1メートルほどで、横腹部分が波立ちつ様が目撃されており、三角形のヒレ、もしくは手に似たようなものがあったという。

このUMA騒動は、目撃者が同時に二名いたこと、また両名とも社会的に信頼のある人物であり、噂を流布することでなんの利益も得ない人物であることから情報は信憑性を高め、目撃後の地元はパニックとなり、その謎の生物は目撃場所の川の名から「ハッシー」と名付けられた。

その後、その謎の生物について様々な議論が起こった。
目撃された箇所は海水魚が遡上できるほどの塩分濃度はなく、当時の学者はトドやアザラシ、イルカなどの海生哺乳類の誤認ではないかと見ていたようだ。

また、ハッシーが目撃されたのは河口からかなり上流の地点ですが、例えばヌマガレイなどは、汽水域から純淡水でも棲息できるため、目撃される可能性否定できない。
その仲間であるオヒョウは大型のカレイで、最大3メートル前後の大きさまで成長します。メスの寿命は40年ぐらいとかなり長寿の魚だ。。
日本ではオヒョウの知名度がかなり低いこともあるため、仮に淡水域に入ってきたとしたら大騒ぎになると思われる。
他の魚類としては非常に体幅のある巨大なナマズなども可能性が実は一番自然なのかもしれない。
その他の可能性としては、学者のいうアザラシなど鰭脚類 (ききゃくるい) なども、時折川に入っては大騒ぎになることからも可能性がありますが、これも横幅の大きさなどから考えると、誤認するとは思いにくい。

 ところが近年にはり、このハッシーは淡水にまぎれこんできた巨大エイではないかという説が有力とされはじめた。

かつて、日本に多く生息していたアカエイなどは、海水域に生息はできても、決して淡水域に入ってくるとは思われていなかった。
ところが、日本において淡水のはずの川に海水魚のエイが住み着くというケースがしばし確認されはじめている。
2008年に徳島県を流れる新町川に海水生のエイ、アカエイが群れになって泳ぐ姿が確認されており、これをふまえると、長良川のハッシーも同様に淡水域へ入ってきたエイの一種ではないかという説もある。

実際、世界的にみれば淡水に住むエイはかなり昔から確認されており、メコン川に住むヒマンチュラやチャオプラヤという巨大エイなどは有名である。
また、こうした外来種のエイをペットして輸入した業者が、廃棄に困り川に放流した結果、海水域に入って巨大化したのち、再び淡水域に戻ってきたのかもしれない。

いずれにしろ、ただ一度きりだけ目撃されたUMAであり、残されたのは目撃者達が残したスケッチのみである。
この生物の正体は一体何だったのか?現在では、もうその正体を特定することは出来ない。