ミネソタ・アイスマン

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●ミネソタ・アイスマンの生態

 ミネソタ・アイスマンとはベトナムで発見された獣人型のUMAで、推定体長は1.4m、全身が茶色の体毛で覆われており、手が長く、腹部が大きく膨らんでいる。1960年代に見せ物としてアメリカで公開されていた。

●これまでの目撃談、調査、正体

 1967年から翌68年にかけて、祭り・イベントなどの見せ物として「ミネソタ・アイスマン」と呼ばれる氷漬けの獣人がアメリカ全土で公開されていた。「ベーリング海峡で発見された」「氷河期からきた」という触れ込みで見せ物にされており、当初は作り物ではないかと言われていた。しかし1968年、動物学者でありUMA研究の草分け的存在であるアイバン・T・サンダーソンとバーナード・ユーベルマンという人が調査を行い、類人猿に似た別の生物だと発表した。

 ミネソタ・アイスマンは、後頭部が銃で撃たれて崩れており、身長は1.8m(後に1.4mと訂正された)、全身は顔や手など以外の部分を10cm程度の長い毛で覆われていたと発表された。倒れた状態で氷漬けされており、右手は腹、左手は頭の上に掲げたような状態だった。調査されたときは氷越しに生物の腐臭のようなものが確認されたという。この調査結果はベルギーの自然科学協会に報告され、雑誌にも発表された。

 この調査の結果で一番重要なのが、後頭部の銃で撃たれたという跡である。つまりこの獣人は太古の昔に氷漬けされたのではなく、銃が発明された時代に射殺され、氷漬けにされたのである。この謎については「ワールド・トリビューン」誌に掲載された記事でベトナムで射殺されたものだと紹介された。記事によるとベトナム戦争のときに、ベトナムのジャングルで戦闘中だった兵士の一人が大型の獣人を射殺し、その死体を兵士を入れる棺桶に入れて隠してアメリカに持ち込んだのだという。この兵士がアイスマンを見せ物にしていた興行主だったというのだ。

調査にあたったユーベルマンは、ミネソタ・アイスマンはベトナムの奥地に生き残っていたネアンデルタール人の生き残りだと主張しているが、正体はただの作り物だという声が多い。しかしミネソタ・アイスマンはその後行方不明になり、真相は闇の中となった。

 この調査によってミネソタ・アイスマンの知名度は飛躍的に向上し、その正体について議論が巻き起こった。しかしその議論の大半は獣人ではなくゴムでつくった人形だ、射殺されたイヌイット、チンパンジーの死骸を加工したものだ、というものだった。実際、ミネソタ・アイスマンについて行なわれた1回きりの調査も氷越しに観察されただけのもので、不正確だ。また、このミネソタ・アイスマンが実在するとしても、動物である以上一匹だけで存在することはできず、他にも個体が存在するはずである。しかしこの他にそれらしき目撃談や関係性のありそうな話はない。

 存在を疑問視する声は大きいが、最近になって所在不明になったはずのミネソタ・アイスマンが再び発見された。それはテキサス州にある「奇妙な博物館」に展示されているそうで、数十年ぶりに新しい写真も公開された。そのミネソタ・アイスマンは精巧な複製ではないかという意見もあるが、まだ調査などは行われていないようで詳細は不明である。しかしもし本物ならば、近いうちに正体が明らかにされるかもしれない。