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●モノスの生態
 モノスとは南米ベネズエラ・ボリバル共和国で目撃される獣人型のUMAである。ロイスの猿とも呼ばれる。推定体長は1.5〜1.6m、手が異常に長く全身が体毛で覆われている。性格は凶暴で攻撃的、木の棒などで襲いかかってくるという。1920年代、射殺されたモノスの写真が公開され話題となった。

●モノスの目撃談、調査、正体

 南米ベネズエラの奥地で、手足が非常に長く凶暴な獣人が存在すると言われている。この獣人をはじめて発見したのはスイス人地質学者であるフランシス・ド・ロイスであった。ロイスは地質調査のために1917年から3年にわたってコロンビア、ベネズエラの国境付近に滞在していた。1920年、ロイスら調査隊がタラ川付近の森で油田開発のための調査をしていたところ突然、大型の獣人が現れた。獣人はオスとメスのつがいで、大きく咆哮しながら威嚇し、ものを掴んで投げてきたという。2頭とも体長は1.5mほどで全身毛むくじゃらだったという。

 危機を感じたロイスらは、1頭を射殺、もう1頭は森の奥へと逃げていった。射殺された獣人はメスで、尻尾がなかった。ロイスは死体を保存しようと考えたが、その後調査も続けなければならなかったため、写真を撮影したあと食料として解体された。このとき撮られたのが、棒で頭を支え、石油缶の上に座った姿勢で写っている有名な写真である。

 この写真が1929年に人類学者によって「アメラントロポイデス・ロイシ」として発表されると世間は大騒ぎになった。また1954年にもイギリス人のハンターがこの獣人に遭遇し、襲われたという報告がある。モノスという名称はスペイン語で単に「猿」を意味する。

 最近では2011年に日本のTV番組で調査が行なわれた。これは最近の目撃例を元に南米アマゾンの奥地に調査に向かうという内容だった。この地域には1mを超えるような猿は存在しないため、1mを超える猿を発見できると、それがモノスである可能性が高いのだが、この調査では見事に1mを超える猿の姿が撮影された。この猿には尻尾がついていたが、その大きさから1920年代に発見されたモノスとも関わりあるかもしれない。

 現在ではその正体はクモザルではないか、と言われている。クモザルとは南米にも生息する猿で、手が長く、体長は大きくても50cmほどだ。しかも長い尻尾を持っており、モノスの特徴とは大きくちがうように思われる。モノスは尻尾がなく体長は1.5mもある。公開された写真からは正確な大きさや特徴は分からないが、目撃談を正確なものと仮定すると、クモザルではないと考えられる。もしくは猿の奇形か、新種の生物という可能性が浮上する。

 この地域では、その後も大型の獣人の目撃が続いているため、本当に未知の生物が生息しているのかもしれない。つい最近にもその姿の撮影に成功していることから、今後も本格的な調査が行われれば正体が突き止められるかもしれない。地球上に生存する生物のうち86%はまだ発見されていないか、名前が存在しないと言われる。今でも毎年数千種の生物が新たに発見されており、今後モノスが新種の生物と発表される日もあるかもしれない。今後の調査に期待である。