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●チュッシーの生態
 栃木県日光市の中禅寺湖で目撃されている水棲のUMA。体長は5〜15メートルで、幅広い口、長い尾、四つ足で歩行するという。外見はオオサンショウウオが巨大化したような姿である。

●チュッシーの目撃談、正体

 栃木県日光市、標高1269メートルに位置し周囲25キロメートル、最深部は163メートル、面積は11.62平方キロメートルで国内で25番目の面積をもつのが中禅寺湖で、観光名所としても有名だ。男体山の噴火でできた山で、自然にできた4平方キロメートル以上の湖としては日本一の標高にある。景観に評判があり、今でも湖畔には欧米の大使館の別荘がある。淡水湖であり、生息しているのはコイ、フナ、ワカサギ、ヒメマス、ヤマメなど。

 そんな中禅寺湖で目撃されるのが巨大UMAであるチュシーである。日本の水棲UMAとしては非常に大型だが、知名度としてはかなりマイナーである。目撃談は少なく、写真に撮影されたこともない。信憑性に欠けるUMAだ。行方不明者を捜索しているときに、ダイバーによって目撃された。過去に中禅寺湖で失踪した子どももこのチュッシーによって襲われたのではないか、と言われている。

 国内の多くの湖で、その湖固有のUMAの目撃談がある。有名なのは芦ノ湖のアッシーや池田湖のイッシー、屈斜路湖のクッシーなどもいる。芦ノ湖は面積7.1平方キロメートル、周囲21.1キロメートルと中禅寺湖よりやや小さい。池田湖は面積11平方キロメートル、周囲15.1キロメートルとさらに小さいが、屈斜路湖は面積79平方キロメートル、周囲57キロメートルと大きい。確かにこれほどの大きさがあれば未知の生物がいてもおかしくはないが、5メートルから15メートルというサイズは現実的ではない。日本にはこれほどの生物は存在しないし、いくら大きな湖でもこれほどのサイズの生物がいればもっと目撃されているのではないだろうか。これらのUMAたちは、わずかな情報が膨らまされ、観光利用されているという主張もある。

 しかしあえてその存在を認めれば、その正体は巨大化したオオサンショウウオ、もしくは巨大化したトカゲなどではないだろうか。幅広い口や長い尾、四つ足で歩行するなどの特徴は、オオサンショウウオやトカゲにそっくりだ。

 オオサンショウウオとは日本、それも岐阜県以西の本州、北九州、四国の一部の山間部にしか存在しない世界最大の両生類だ。一般的には60〜70センチメートル程度だが、稀に1メートルを超えるものもいる。今までに見つかった最大のものは長さ151センチメートル、体重27.6キロにもなった。また兵庫県にいる個体は全長150.5センチメートル、体重37.4キロもある。

 また国内で最大のトカゲは「キシノウエトカゲ」だが、全長は40センチメートルほど。しかも生息するのは宮古列島から八重山列島である。チュッシーが目撃される中禅寺湖とは環境がちがいすぎる。

 チュッシーの存在が事実と仮定すれば、その正体は持ち込まれた外来の大型は虫類などかもしれない。それか突然変異で巨大化したものだろう。情報が少ないため、今後の目撃情報に期待される。