フォウク・モンスター

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フォウク・モンスターはアメリカのアーカンソー州南部にある小さな町フォウク周辺で目撃されている二足歩行の人型未確認生物。
別名ボギー・クリーク・モンスターで、ビッグフットに類似した特長を持つことから南のサスカッチといわれる。
当初の目撃では身長約210cmで、のちの目撃では3m近い証言もある。胸幅は1m近くあり、身体は毛で覆われ、銀貨ほどの大きさの目は赤い。泳ぐ姿は猿に似ている。
フォウク・モンスターがマスコミに取り上げられるようになったのは1971年からだが、記録に残るところでは1908年以降フォウク近くのジョーンズヴィルを中心に度々目撃されており、地元では語り草になっていた。
1971年5月1日夜、エリザベス・フォードは自宅の窓に何者かの影を見た。夫のボビーは猟に出ていた弟のドンを待って追跡することにした。深夜、影の主が再び現れ、玄関にいたボビーは怪物に発砲したがなすすべもなく肩越しに投げ飛ばされた。ボビーの証言では怪物に数発の弾が命中したはずだが、地面に血の痕はなかった。
怪物の捜索が行われたが発見できなかった。しかし、ボビー家の窓や外壁が壊され、玄関に引っかいたような傷と近くで三本指の足跡が見つかった。
5月23日には国道71号線で猿のような生物が目撃され、近くの大豆畑で三本足の足型が複数採取された。足型は野生保護官によって精査されたが、それが何か確証を得られなかった。
その後一ヶ月にわたり、地元住民や旅行者からの報告が相次いだ。
怪物の話題はマスコミに取り上げられ、アーカンソー州リトル・ロックのラジオ局が1090ドルの懸賞金をかけた。そのため怪物探しに旅行者やハンターが押しかけ、嘘の目撃報告をした3人が詐欺行為で罰金を課せられる出来事も起った。
怪物熱はその後も続き、1972年にフォードの体験を元にしたセミ・ドキュメンタリーのホラー映画『ボギー・クリークの伝説』が公開された。ドライブインシアターで上映されたこの映画は2億2000万ドルの興行収益を上げるヒットとなり、1977年に続編が作られ、その後も1985年、2010年、2011年とシリーズ化している。
目撃は散発的に続き、78年には州中央部のラッセルヴィルでも報告された。この間、家畜の失踪や飼い犬が襲われる事件が発生し、怪物の仕業だと噂された。
1986年、フォウク市長のヴァージル・ロバーツと71年当時に保安官だったレスリー・ギアーは、怪物の足跡が作り物だとの見解を発表している。
1991年に橋から飛び降りる怪物が目撃され、1997年から98年にかけてフォウクの町近くにある干上がった川で40件近い報告があった。現在でもほぼ毎年目撃情報がある。2014年1月にフォウク近くの森で住民が身長120cmほどの子供と思われる猿のような生物を目撃し、11月には川近くの道で車に乗っていた女性が猿のような生物が森から現れて道に立っているのを見ている。その生物は身長150cmほどで、灰色の毛に覆われて褐色の目をしていた。
フォウク・モンスターについて一般の科学者は否定的だ。1971年にフォード夫妻が目撃してまもなく、南アーカンソー大学の考古学者フランク・シャムバックは、見つかった足跡が三本足だったことから、五本指の類人猿ではありえないと断定。さらに、霊長類は一般的に昼間に活動するためフォウク・モンスターのような夜行性ではないとして怪物の存在を否定した。
多くの未確認生物研究家はフォウク・モンスターがビッグフットと同一の生物だと考えている。そしてビッグフットとの違いである三本指は、フォウク・モンスターが孤立した環境で変異したものだとみている。