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東京都葛飾区にある水元公園に出没したというUMAで、新マツドドンという別名がある。
姿形がマツドドンと似ていたため、そう名づけられた元来のマツドドンは江戸川と松戸川の流域において発見されたUMAで、命名理由がトドに似ていることと松戸に出現したからということでそのような名前になったということであり、安直につけた名前がそのまま定着してしまった格好である。(詳しくは、マツドドンの項を参照されたし)
体長は2メートル、猫のような鳴き声とヒゲが特徴。2本の牙を持ち、直立して立っていたとの目撃情報もある。
一方、ミッシーはこれに対して小柄な体格で、体長30センチほどの巨大なネズミのような姿であったと目撃者は証言している。
初めての目撃例は1970年代で、マツドドンが初めて目撃され続いて新マツドドン、すなわちミッシーが80年代から90年代にかけて目撃されるようになるのであるが、そもそもこの動物は夜行性のようで、夕方日が沈んでから早朝・明け方にかけての目撃例が特に多い。
詳しい目撃例の出処を探っていくと、同様の生物は千葉県市川市に1970年代から目撃されており、年月をかけて彼の地に移住してきたものと推測される。1990年代にUMAとして新マツドドン、ミッシーという名が付いたが捕獲調査が行われた際には意外なことが判明した。
同様の生物が千葉県市川市に生息していたという報告があったのである。しかもその生物は地元の人たちにより、発見され次第撲殺されるという憂き目に遭っていたというのだ。これには、農作物への被害などが報告されており、害獣として認識されていたことにあり、そこから逃げるように、葛飾区の水元公園にたどり着いたと推察される。事実、ここで見られるようになってから市川市での目撃例は皆無であり、その報告例だけが当時の資料に残されている。
水元公園でも、最初に目撃された時には報告例が少ないことから、個体数はかなり減少していたと思われる。そこを地元の人に発見され、いままで見たことのない生物UMAとして知られるようになったということである。個体数が徐々に増え、比較的人に見られやすくなると、次第に詳しい調査がなされてくるようになる。
最終的な結論として、捕獲されたミッシーを詳しく調べた所、その正体はマスクラットであることが判明した。
マスクラットとは、特定外来生物に指定されているネズミの仲間で、その昔毛皮採取が目的で輸入されたものが
脱走して野生化し、住み着いたと考えられている。今では、地元の人たちの愛称して、ミッシーという呼び名が定着しているという。
この近辺でのマスクラットの住環境としては、年々悪化していると言われ、駆除活動も相まって徐々にその個体数を減らしているとの報告もあり、細々と暮らしているのが確認されるのみである。日本では、水元公園の他に埼玉県の一部の地域でも生息が確認されている。
元々は日本の生き物でないため、一部の関係者しかその存在を知られることがなかったが、それゆえに発見当初はUMAとして騒がれてしまったのかもしれない。(この生物によって甚大な被害が出たというイギリスでは、完全に駆逐されてしまったそうだが、将来の日本でも同様に完全に駆除される可能性がある。)