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"ジーナフォイロは、西アフリカのサハラ砂漠西南に位置するセネガルに現れるという、非常に危険な未確認生物である。このセネガル南部に住む原住民マティンガ族によると、ジーナフォイロに目をつけられたがこの世の最期、最悪の場合は死に至るといわれているほど恐ろしい怪物である。

目撃情報および原住民の話によるとこの怪物は、UMAとしては比較的小柄でコウモリに似た形をしており、翼を広げた体長は1.2mほど。ただ顔だけが人間に見えるという不気味な出で立ちをしているとのこと。しかし1.2mのコウモリというだけでも恐怖の存在というのは想像に難くなく、その異様な顔で獲物を捜しながら村のうえを夜な夜な旋回し、いつの間にか民家の中に入り込むというのだから、かなり性質の悪いUMAの部類に入るだろう。

さらに詳しい身体的特徴としては、ジーナフォイロの眼は血のように赤く、足には三本指の鉤爪、人の足音を聞きわける醜い耳を持っているとされている。またジーナフォイロは姿を現すとき、激しい白い閃光に包まれ、何とも言えない悪臭を放つともいわれており、その異様さは姿かたちだけに止まらない。

そんなジーナフォイロと実際に遭遇したとき一体どうなるのか、それはこの生物を怪物と呼ぶに相応しい姿に違わぬ、無残な目に合うことが報告されている。

まずこのジーナフォイロは冒頭にも挙げたように、獲物を捜して集落を飛来する。そしてターゲットを見極めると、それが逃げまどい家に隠れてもお構いなし。気がつくとその人間の前に突如として出現し、そのどす黒い赤眼で体を硬直させてしまい、その場から逃げられなくしてしまうという。次にその人間は体が動かないだけでなく段々と息もできなくなり、いよいよ喰われてしまうのか、それとも何をされてしまうのだ、という状態になるらしいが、不思議なことにジーナフォイロは忽然と姿を消してしまう。これにより硬直も解けて呼吸も回復するという。しかしこれを助かったとみるのは間違いだったことに後々気づくことになる。ここからがジーナフォイロの怖さで、数日後、急な吐き気、激しい下痢に襲われ体はみるみるうちに衰弱。体力のない子どもや老人は最悪、死に至るというのだ。

そんな恐ろしい思いを実際に体験した人間がいるという。記録によると1995年10月、セネガル近郊に住むロイド・グメイナーが友人宅からの帰り道でジーナフォイロに襲撃される事件が起きたのである。ジーナフォイロが近づいて来るとこの男性はその光と匂い、そして鈍く光る眼に脳震盪のような眩暈と共に倒れ込んでしまい、息も儘ならぬまま何とか家に這いずり帰ったという。当然の如くその後、激しい吐き気と止まることのない下痢に見舞われ、病院へ搬送されると、何と医師の診断は放射線被ばく。驚愕の事実に、心も体も病んだロイドは元の生活には戻れなかったという。

現在ジーナフォイロは単に通常より大きくなったコウモリで、その襲われた恐怖から精神的なショック症状のようなもので体調が悪くなっただけではという説が有力として語られているが、それでは白い光や人間を付け狙う点そして放射線被ばくという結果などの何一つも説明できず、実際には正体は全く闇に包まれたままとなっている。"