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「八尺様」とは、2ちゃんねるに投稿された怪談に端を発する都市伝説である。

大本となる話は、『田舎に帰った語り主が、「2メートル越えの長身を持つと思われる、帽子をかぶった女らしき存在」を目撃する。「ぽぽぽ」と変な声を出していたそれのことを祖父達に話すと、それは「八尺様」と呼ばれる存在であり、語り主はそれに魅入られてしまったのだと話される。

「八尺様」に魅入られると数日のうちに取り殺される。数年から十数年に一度その被害が出るというその存在から、周りの助けを借りて「八尺様」が行動できる範囲より逃走する」というものである。
なお、この話の描写には、『「八尺様」が語り主をおびき出すために家族の声を出す』というものもあり、「八尺様」の声は「ぽぽぽ…」というものだけとは限らないことがうかがえる。

話の結末は『祖父が死んだ際も田舎には帰らなかったが、最近電話がかかってきた。八尺様の自分の家への動きを封じていた地蔵が壊されたという。今でもあの「ぽぽぽ」という鳴き声が聞こえるかと思うと…』というものになっている。

「八尺様」は若者や子供を狙い、服装は見るひとによって違うという。盛り塩や御札で一時的に身を守ることができるようである。

類型とみられる怪談も存在する。話の筋までは似通わないが、「奇妙な風体の、ぽぽぽ…という鳴き声、もしくはそれに類いする独特の鳴き声をあげる女」に「魅入られると取り殺される」という点が共通項となっている。
この「八尺様」については、妖怪であるとか神であるとかいう解説は成されない。その性質だけが解説され、はっきりと定義できる正体は不明のままとなっている。