「猫レンジ」に関する都市伝説

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「猫レンジ」とは、アメリカで起きたと言われている都市伝説である。

アメリカに住んでいる一人の老婦人が、子供達から一台の電子レンジをプレゼントされた。
そしてある雨の日、外にいた愛猫が雨でずぶ濡れになってしまったために、
子供からもらったプレゼントを思い出し、電子レンジで乾かそうと考えた。
そして、濡れた猫を電子レンジで乾かそうとしたところ、
当然ながら、内側から暖まってしまい、死んでしまったという。

電子レンジを使用して死んでしまったため、ショックを受けた婦人は、
電子レンジの取扱説明書に「ペットを乾かす為に使ってはいけない」
なんて記載はなかったと、メーカー側の責任にして訴えた。
そして何故か、その理不尽なまでの言い分が通り、莫大な賠償金を得たという都市伝説である。

この話は、テクニカルライティング(技術的内容を正確にわかりやすく表現する文章技法。電気製品の取扱説明書などに応用される)の教科書にも出てくるとの事。

確かに、わかりやすい内容になっているため、
取扱説明書を制作する者からすれば、わかりやすく教訓にはなりそうな内容である。

訴訟大国アメリカを揶揄するときなどに、この話が出たりするが、
日本弁護士連合・消費者問題副委員長が、米国弁護士協会に照会をしたところによると、
このような判例は聞いたことがないという話が出ており、実際にはなかったとされる。

しかし、英国では実際に注意書きがされているという。
なお、この話は、小学館から発行されている、橋口たかしによる漫画「焼きたて!!ジャぱん」にも、この都市伝説の話が用いられている。

都市伝説とは無関係だが、この電子レンジにまつわる事件として、
カナダでは、強盗に入った13〜15歳の少年が、実際に猫を電子レンジに入れてしまい、
殺害してしまったという事件があった。

また、テキサス州では精神障害を持つ男性が、生後二ヶ月の娘を、
電子レンジで加熱し、大やけどを負わせるといった事件が起きている。
猫に限らず、生き物を電子レンジに入れようという考えが末恐ろしいが、
もしこれを、子供がやってしまった場合は、理解していないという解釈もできるので、
わからなくはないが、大人がやったとなると、訴えられた側は理不尽である。

しかし、そういった非常識な事を想定して、注意書きをしておかないと、
何かある度に訴えられそうなアメリカでは、割とありそうなことである。

実際、本当にあるかのような都市伝説である。