『ウォーリーを探せ』に隠された秘密

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皆様は『ウォーリーを探せ』という有名な絵本をご存知だろうか。

この本は、見開き一面にびっしりと群衆が描かれているページの中から、赤と白の横じま模様のシャツを着た「ウォーリー」という登場人物を探しだすという、1987年にイギリス人イラストレーター、マーティン・ハンドフォードによって描かれ、1990年頃に世界中で大ブームを巻き起こした絵本のことだ。

日本でも大人気であったこの絵本で実際に遊んだという馴染みの深い方もいるのではないだろうか。

しかし、この本の登場人物である「 ウォーリー」のモデルが実は殺人犯であるということまでは知らないかもしれない。

本が出版された今から30年ほど前のイギリスにおいて、8才の男の子が行方不明となり、発見された時には遺体であった、という事件が起こった。

警察の必死の捜査により、「ジム・ジャック」という名の男が犯人として逮捕された。「 ジム・ジャック」は過去に20名以上もの子供達を殺害していた精神異常者であったという。

その後行われた裁判の結果、「ジム」には責任能力が無いと判断され、警察の精神病院に収容されることになる。しかしその数年後、なんと「ジム」は病院から脱走してしまう。
再び指名手配されたものの、その行方は結局分からずじまいであった。

それからしばらくした後、ある一冊の絵本が出版された。その絵本には、脱走した「ジム」を一刻も早く捜し出し、十分に注意しなければならないという子どもたちに向けられた警告が込められていた。
まさにその絵本こそが後に世界中でブームを巻き起こした「ウォーリーをさがせ!」なのである。
「ウォーリー」は脱走した「ジム」のことを表し、大きな特徴である赤と白の横じま模様のシャツは、当時イギリスで精神異常の囚人に着せていた赤い囚人服そのものなのだという。