東京ディズニーランド

ある日、4歳くらいの小さな女の子を連れた夫婦が東京ディズニーランドへ遊びに行ったときのことである。

様々なアトラクションを楽しみ、疲れたため休んでいた。
ふと目を離した隙に娘を見失ってしまったのである。

近くを探しても見つかる事はなく、迷子センターへ行くことにした。

しかし、残念なことに迷子センターにも娘は来ていないという。
2人は待つしかない状況であった。

ところが、係員は険しい表情を浮かべ関係各所に連絡を取り始め、1つを残して各出入り口を封鎖するように指示したのである。

夫婦を唯一封鎖していない出口に連れて行きこう言った。

「いいですか、これからここにいて外に出ようとする子供を連れた人物をよく見張ってください。娘さんは、髪を染められていたり、服を着せ替えられていたりする可能性があります。よく見て、見逃さないようにしてください。」

これを聞いて事情が飲み込めてきた夫婦は、娘を見つけるために人々を隅々までチェックした。

すると、気になる男性を見つけた。
腕に眠った男の子を抱えてゲートから出ようとしている男性がいた。
その男の子の髪は短く、服は男の子の服を着ていて娘とはまるで違う。

しかし、靴をみると女の子向けのキャラクターが印刷された靴をはいている。
そう、間違いなく娘が履いていた靴と同じ靴なのである。

その男はすぐに警備員に取り押さえられ、娘は怪我なく夫婦のもとに戻った。

普通の遊園地であれば、迷子が1人でたくらいではここまで大げさな措置はとらないはずである。

つまり、ここではこのような誘拐が頻繁に起こっているということである。

しかし、このことが世間に伝わってしまうと子供連れの家族は寄り付かなくなってしまうので、ありとあらゆる手を駆使し、表沙汰にならないようにしているそうだ。