戦場カメラマン、渡部陽一氏が語った話。
2003年3月に勃発したイラク戦争。記憶に新しい人も多いのではないだろうか。その戦争に渡部陽一氏は、戦場カメラマンとして出向いていた。その他にも、多くの国からジャーナリストがやってきていた。
現場に入って数日経ったとある日、渡部陽一氏は奇妙な音を耳にした。それはカラオケボックスから聞こえてくるような、音や笑い声。まさか、戦場であるイラクで、そんな音を聞くとは思っていなかった渡部陽一氏。
しかし、後にこの音の意味が分かる。
当時のイラクは、サダム・フセインが政権を治めていた。そして、その息子である、ウダイ・フセイン。この男は当時、狂犬としてイラク国内でも恐れられていた。何故なら、自分の気に入らない人物であれば、国民であっても拷問するほど狂った男だったからだ。
ある都市伝説によると、サッカーイラク代表の選手で気に入らない選手がいると、国内に戻ったあと、消息を絶ったりすることがあるのだという。その理由が、ウダイ・フセインが所有する拷問部屋に連れていかれたのではないか、と言われているのだ。
そして、その拷問部屋というのは、ウダイ・フセインが銃殺刑に処された後に発見され、存在が明るみに出た。なんと、その拷問部屋の場所というのが渡部陽一氏が宿泊していたホテルの近くにあったのだ…
そう。渡部陽一氏が聞いた音や笑い声は、その拷問部屋から聞こえたものだったのではないか、というのだ。
拷問をしている側が楽しんでいる声なのか、はたまた、拷問時に発する悲鳴などを掻き消すために用意された音だったのかは不明だが、その拷問部屋が近くにあり、その付近から戦場において場違いな音が流れていたのは事実である。
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