1971年8月23日、スペインの田舎町ベルメスにある一軒の家で奇妙な現象が起こった。この家に住むマリア・ゴメス・カマラは、夕食の準備をするために台所のかまどの薪に火を付けようとしていた。すると、コンクリートの床に何かシミのようなものが浮かび上がっていることに気が付いた。一体これは何なのか? よく見てみると、そこには目、口、鼻、口ひげが確認できる。それは人の顔だった。驚いたマリアはすぐに隣人たちに知らせると、駆けつけた彼らも、その不気味な顔を目撃する。もはや勘違いなどということはあり得ない。不気味な顔の噂は、あっという間に広まり、スペイン各地から人が押し寄せる事態になった。しかし大勢の見物人たちによって、マリアの家族たちは日常の生活が送れない。そこで彼らは不気味な顔を破壊してしまうことにした。最初の出現から6日後の8月29日、マリアの息子が台所の床を削り、そこにセメントを流し込んだのだ。ところが奇妙な現象はこれで終わりにならなかった。約10日後の9月9日、まったく同じ場所に新しい顔が再び浮かび上がってきたのである。しかも顔はより鮮明になっていた。まさに怪奇現象だ。結局、その後も不気味な顔は現れ続け、最も多いときでは18個もの顔が家中に出現したという。体、どうしてこのような現象が起きるのだろうか? その謎を解く鍵はマリアの家の地下にあったようだ。あまりにも不気味な顔が出現することから家の地下を調べたところ、なんとそこからいくつもの人骨が発見されたのである。そのため不気味な顔は、この人骨と何か関係があるのではないかと考えられている。