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キリスト教においてルシファーは、堕天使の長であり悪魔と同一視されている。堕天使とは、傲慢や嫉妬によって神に反逆し、罰せられ天界を追放された天使のことを指す。

もともとルシファーは天使の中で最も美しい大天使だった。しかし、創造者である神に対して謀反を起こし、自ら堕天使になったと言われている。

堕天使になった理由は諸説ある。神によって作られた天使が神に背いて堕天使となったという考えは、旧約偽典ないしキリスト教黙示文学の『アダムとエバの生涯』にみられる。その中で悪魔はアダムに向かって、自分は神の似姿として作られたアダムに拝礼せよという命令を拒み、そのために神の怒りを買って天から追放されたのだと語る。『クルアーン』にもこれに類似した話があり、イブリースは粘土から作られたアダムに跪拝せよという神の命に背いて堕落したと数箇所で述べられている。

ルシファーは中世以来、文学作品の登場人物として使われきた。 西欧文学において、ルシファーが登場する有名な文学作品にダンテの『神曲』、ジョン・ミルトンの『失楽園』などがある。