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悪魔リリスの子供たちであり、淫魔。ユダヤ教における悪魔の一種として知られている。
ヘブライ語でリリスの複数形を指し、リリムとも呼ばれている。
キリスト教において、一番初めのデーモンとして語り継がれている。

リリスと、魔王サタンとの間に生まれた子供の悪魔たちに名づけられた名前とされており、正真正銘の悪魔として恐れられている。

またパレスチナの神話においては、アダムとケンカをしてそのまま飛び出したリリスが、魔王サタンのもとに身を寄せ、その際にサタンと交わり、サタンとの間に生まれた子供とがリリンと言う説もあり、リリン達を出産した後に、リリスはアダムの元に帰ってリリン達と共に生活を送ったという説もあるようだ。

だが一説では、アダムとケンカをした後、天使たちにすぐに連れ戻されたリリスとアダムが和解し、その後アダムとの間に生まれた子供たちがリリンと呼ばれていたという説もある為、リリンはただの悪魔ではなく、元々は人類の祖先なのではないかとされている。

リリンは、新生児や幼い子供、成人した男性を襲い、1人で眠っている床に忍び込み夢の中において誘惑する悪魔として知られている。
また、一説では一人ではなくても、眠っている男性そのものの夢の中にも忍び込むと言われており、夢精はリリンの仕業とされている。

夢の中に入り込んだリリンは、男性を誘惑し、淫らな夢を見させて男性の精力を貪っていく。
リリンに憑りつかれたら最後、リリンが飽きるまで毎晩誘惑をされ続け、現実世界の体は徐々に痩せ衰えていくという。

また、リリンが憑りついた男性に飽きてしまうと、男性はリリンに命を貪り食われ、夢の中だけではなく現実でも命を無くすとされている為、大変恐れられている。

憑りつかれた男性は、寝ている時のことを覚えていない者が多く、気が付いた時には命が奪われているということも。
稀に夢の内容を覚えているものもいるが、あまりにも気持ちが良い夢の為、誘惑に勝てず、憑りつかれているとわかっていても抗うことが出来ないものが多い。

一説には、「リリンは、どんな男性にでも憑りつく隙があれば憑りつくが、気に入った男性の場合は、是が非でも自分のものにし、飽きるまで手離すことはない」という、母リリスのような悪女の性質を兼ね備えているともされており、一度憑りつかれたら自力で払うのは難しいとされ、悪魔祓いの手を借りる他に道は無いと言われている。
悪魔祓いが未熟な場合、除霊を行った後に逆に憑りつかれてしまう恐れがあるとして、リリンの除霊には熟練の悪魔祓いが行うことが多かったとされている。

憑りつく男性に特に決まった傾向はみられないが、若い男性、幼い男性など、まだ性欲が盛んな男性に憑りつきやすいとされており、リリンに憑りつかれない様に注意を行ってきたと言われている。

また、「タルグム・シェニー」の中においては、リリンがソロモン王の前で舞を踊ったという描写もあり、恐怖の対象のみとして見られてきていたわけではなく、女性としてある意味、魅力的な淫魔として語り継がれてきたということもわかる。

また、淫魔と言う性質から、悪魔サキュバスと同一視されてしまいがちだが、実際は全く異なる悪魔。
リリンはサキュバスに比べると見た目が若いとされており、サキュバスが男性と性交に及ぶのに対し、リリンは淫乱な夢を見せることが主流という説もある為、その点においても全く異なった悪魔であることがわかる。