ゴブリン(ガブリン)

ゴブリン(ガブリン)

ゴブリンとは、広くヨーロッパで知られる邪悪な妖精(若しくは小人)であり、深い森や洞窟、鉱山などに棲み、人里にやってきては悪質な悪戯をする存在だとされている。体は小さく、醜悪でグロテスクな姿をしている。

【概要】
元々「ゴブリン」とは一種族の名前ではなく、性質の悪い悪戯をする妖精の総称であると考えられる。レッドキャップやブルーキャップ、コボルト、ノッカー、ボギーやボーグルがこれに含まれると考えられ、伝承によってはノームやドワーフも同一視されることがある。
一般的には、人間に敵意をもつ意地の悪い妖精とされており、肌は浅黒く毛むくじゃらで、醜くグロテスクな姿をしている。体は全体的にいびつで小さく、伝承によっては30cmとも50cmともいわれるが、大きくても1mほどだという。
棲家は深い森の中、あるいは鉱山、洞窟、洞穴などの地下世界と云われ、金銀の在処を知り、それを護っているとも云われる。基本的には夜行性で、日光を避ける性質がある。
また、ゴブリンは男のみで、女がいないとも云われる。
ゴブリンは性質の悪い悪戯ばかりするため、ほかの妖精たちはゴブリンと間違えられることをひどく嫌うという。

【名前の由来】
「ゴブリン」の語源は、ギリシア語の「コバロス(Kobaros)」だといわれ、これは「子供」や「ごろつき」を意味する。古代ギリシアでは、すでに「妖精」や「山のお化け」、「鉱山のお化け」という意味で用いられていたとも云われる。英語ではゴブリン(Goblin)だが、ドイツ語ではコボルト、フランス語ではゴブリン(Gobelin)となり、日本では「小鬼」「天邪鬼(あまのじゃく)」と訳されるようである。

【ゴブリンの所業】
ゴブリンの行為は、基本的には性質の悪い悪戯のようなものが多いが、根底に人間に対する悪意があるため、場合によっては人間を死に追いやるようなことも平気ですると云われる。
また、人間に敵意を持ってはいるものの、子供と馬は好きだという。
以下がゴブリンの行為と考えられているものである。
・ 笑い声だけでミルクが腐る。
・ 道標を逆にして人を迷わせる。
・ 足を引っ掛けて人を転ばせる。
・ 果樹園などを荒らす。
・ 野盗のように集団で人を襲うこともある。
・ 疫病を流行らせることもある。
・ 時に人家に棲みつき、牛の乳の出を悪くさせたり、雌鶏を驚かせて卵を産まなくさせたりする。
・ 人家に棲みつく際には、ミルク桶に木端を投じてみて、それを片付けもしないずぼらな家を標的にする。
・ 子供の髪や馬のたてがみをブラッシングしてくれたり、食べ物を持ってきてくれたりする。

因みに、ゴブリンを追い払うには床一面に亜麻の種を撒いておくといいという。夜になるとゴブリンがやって来て、種を全部拾おうとするのだが、とても夜明けまでには終わらない。これが毎晩続くと、ゴブリンは根を上げていなくなるのだという。

【ホブゴブリン】
ホブゴブリンとは、ゴブリンと同じ妖精の一種であるが、彼等とは違い人間に対して友好的・献身的な性質をもっており、ヨーロッパ各地で家の守護霊として認知されてきた。1杯のミルク(または1枚のパン)を台所の隅に置いておくと、次の日には掃除や薪割りなどの家事を片付けてくれるという。
ゴブリン同様、悪戯をすることもあるが、酒やバターを駄目にしたり、椅子に化けて人間を驚かすなど、害の少ないものがほとんどで、人間が驚くのを見れば満足するという。
また、親切に扱われた場合には相手にお返しをするらしく、ホブゴブリンに親切にしたら一生幸せに暮らせるほどの贈り物を貰ったという事例もあるという。

【キリスト教とゴブリン】
もともとは「悪戯好きの妖精」程度の位置づけだったゴブリンだが、キリスト教のフォークロア追放運動の影響を受け、悪魔の手先のような、より邪悪な存在と考えられるようになったという。
一神教のキリスト教にとって妖精の存在は都合の悪いものだったらしく、ゴブリンだけでなく、トロールやエルフ、ドワーフなども、この運動により一旦は邪悪な存在に堕とされている。後にドワーフやエルフは、一転して善い存在として認知されるようになったが、ゴブリンは悪者のイメージが定着しているようである。

【備考】
一般的に空想上の存在と考えられるゴブリンだが、ジンバブエでは現在もその出現が報告されている。
2013年の8月から10月にかけて、ジンバブエの南マタベレレンド州にある4つの学校で生徒や教師がゴブリンに襲撃され、学校が閉鎖される事態となっている。
校長によると、子供たちは授業中にゴブリンによって、絶えず攻撃を受けており、気絶する生徒もいたという。子供たちはパニックに陥り、学習を続けられる状態ではないという。
ジンバブエでは黒魔術が広く信じられており、ゴブリンの出現は呪いによるものだとされている。

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