ベヒモス(ベヒーモス、ベヘモト、ビヒーモス、ビヒモス、ベエマス、バハムート)

ベヒモス(ベヒーモス、ベヘモト、ビヒーモス、ビヒモス、ベエマス、バハムート)

ベヒモスとは、『旧約聖書』に登場する陸の怪物である。
海の怪物レヴィアタンと二頭一対を成すと考えられ、共に最後の審判のときまで世界を支えるという。
中世以降のヨーロッパでは、貪欲を象徴する悪魔と見做されている。

【旧約聖書のベヒモス】
ベヒモス(behemoth)は「動物・獣」を意味するヘブライ語「behamah」の複数形に由来すると云われ、あまりの大きさゆえに単体でありながら複数形で表記されるようになったと云われる。
また、「ベヒーモス」「ベヘモト」「ビヒモス」「ビヒーモス」「ベエマス」とも表記され、イスラム教の神話に登場する怪物バハムートと同一視される。

ベヒモスは、旧約聖書に登場する陸の怪物であり、神が天地創造の5日目に創りだした存在で、同じく神に創られた海の怪物レヴィアタンと二頭一対を成すとされている(因みに、空の怪物ジズを含め三頭一対とも云われる)。
レヴィアタンが最強の生物と記されるのに対し、ベヒモスは神の傑作であり、最高の生物であると記されている。

その姿は象・もしくはカバ、水牛、鯨などの大型哺乳類を元にしているという。
旧約聖書『ヨブ記』によれば、大河の氾濫も意に介さぬ巨大な草食の獣であり、青銅と鋼鉄の骨格に、杉の枝のようにしなやかな尾を持つと云われる。無限の食欲のもと、あらゆるものを飲み込み、その胃袋には底が無い。日に千の山に生える草を食べ、大河の水が口の中に流れ込んでも平然としていたという。また、上半身にはデンダインという砂漠が広がっていたという。
性格は温厚で、全ての獣はベヒモスを慕ったと云われるが、ひとたび暴れ始めると何人にも止められないという。
本来はレヴィアタンと同様に海に棲むよう創られたが、共に巨大すぎて海が溢れてしまうため、片方が陸に住むようになったとされる。ベヒモスは、陸地においては沼に茂る葦の下を棲みかとしていたという。
そして、世界の終焉のとき、ベヒモスは世界を支える役目を終え、海の怪物レヴィアタンと共に死ぬまで戦わされ、二匹とも神や神に赦された人々の食卓に上るとされている。

《エズラ記6:47-52》
五日目にあなたは、水が集まっている第七の部分に、生き物や鳥や魚を生み出すように命じられました・・・それからあなたは、二つの生き物を選り分けられ、その一つをベヒモス、もう一つをレヴィアタンと名付けられました。そしてあなたは、両者を互いに引き離されました。水が集まっている第七の部分に両者を置くことができなかったからです。そしてベヒモスには三日目に乾いた土地の一部を与え、そこに住むようにされました。そこは一千の山のある土地でした。レヴィアタンには水のある第七の部分をお与えになりました。あなたはこの二つを保存し、あなたのお望みのとき、お望みの人々に食べさせるようにされました。

《ヨブ記40:15-24》
見よ、ベヒモスを。お前を造った私はこの獣をも造った。これは牛のように草を食べる。見よ、腰の力と腹筋の勢いを。尾は杉の枝のようにたわみ、腿の筋は固く絡み合っている。骨は青銅の管、骨組みは鋼鉄の棒を組み合わせたようだ。これこそ神の傑作、造り主をおいて剣をそれに突きつける者はない。山々は彼に食べ物を与える。野のすべての獣は彼に戯れる・・・川が押し流そうとしても、彼は動じない。ヨルダンが口に流れ込んでも、ひるまない。まともに捕えたり、罠にかけてその鼻を貫きうるものがあろうか。

また、対のレヴィアタンとは、雌雄一対の関係でとらえられることもあり、その場合、ベヒモスが雄であり、レヴィアタンが雌である。
一説には、ベヒモスは豊穣のシンボルであるとも云われる。

【悪魔学におけるベヒモス】
ベヒモスは、元々は神に創造されし怪物であるが、中世以降の悪魔学によって悪魔と定義される。
悪魔としては、『旧約聖書』の内容から転じて、暴飲暴食を司り、ひいては貪欲を象徴する。因みに、対のレヴィアタンは七つの大罪における「嫉妬」の悪魔であるが、ベヒモスは七つの大罪とは関係が無い。
一般的に悪魔としてのベヒモスは、象、もしくは象頭人身として描かれる。

【バハムート】
アラビア語の別称として有名なバハムートは、本来は世界を支える巨大な魚であったという。
バハムートの鼻孔に海を置いても、砂漠に置かれた芥子粒ほどの大きさでしかないと表現されるほどの巨躯で、その体からは眩しい光を発していると云われる。
経緯は不明であるが、現代では一般的にドラゴンの姿で描かれる。

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