北海道札幌市小別沢33

小別沢トンネル

現在はごく普通のトンネルに造り直されているが、作り直される以前は素掘りの状態で、岩肌が露出しており証明も常に暗く、心霊スポットとしての威厳を持っていたという。
また、「戦時中の強制労働で造られ、何人もの人が人柱になって埋められている」などの噂もあり、当時は心霊スポットとして名を馳せていた。老朽化と道幅が狭いという問題から、平成15年に改装されている。

小渕沢トンネル〈旧〉は、札幌市小渕沢にあるトンネル跡地である。

札幌市内の心霊スポットしてはかなり有名な場所。かつてはこのトンネルと、平和の滝、西岡水源地を合わせて三大心霊スポットとなっていたが、2003年に出来た新・小渕沢トンネルにその役目をゆずり、現在は閉鎖されている。
このトンネルは、昭和初期に地域住民の有志が資金を出し合い、農作物の輸送を目的としたトンネルを、中央区宮の森と西区小別沢に開設するため作られた。
100メートル余りの短いトンネルだったが、小別沢地区の有志の人々が発破をかけながらノミなどを使う人力作業で完成させたため、着工から2年後に完成している。このトンネルが完成により、かつて小別沢から宮の森方面へと山道を2時間以上歩かなければなかった道程が大幅に短縮された。

しかし、そうしたトンネルも近代にはいると、札幌市民にとって恐れられる場所へと変わっていった。照明設備が乏しいトンネル内は日中でも暗く、道幅は三メートル程しかない。換気設備もないため常に湿度が高く、まるで洞窟。この道を歩いて通るのは誰もが躊躇ったと言われている、
また、小別沢トンネルまで続く道も非常に険しく、道幅がせまい。そのためか、常に車通りも少ないため、夜間にこの道を通るは避けられたと言われる。

そのせいもあり、このトンネルに纏わる噂は今でも多く残っている。

崩落事故によって死んだ人々の霊が、夜になるとうめき声をトンネル内に響かせる。戦時中につれてこられた朝鮮人達の手で作られたため、このトンネルには人柱が埋められている。深夜の特定の時簡単にトンネルに入ると、暗がりの奥から生白い女性が現れ、こちらに向かって手招きをする。ここで焼身自殺を遂げた親子の霊が現れる。または、トンネル内で停止し、クラクションを鳴らすと霊が出て、ボンネットや窓ガラスに手あとがつくといった、実にバリエーションにとんだ都市伝説が流布されている。

しかし現在使用されている新たな小別沢トンネルは延長231.5m、道路幅員9.5mもありスケールはかなり大きくなっている。また、トンネル前後の道路(いずれも勾配のきつい坂道)には、小別沢側約70m、宮の森側160mの区間にロードヒーティングに設置されており、非常に近代的な設備を備えている。

そのためか、心霊現象はもとより、なんらかの怪しい噂一つ立ってはいないのだが、そのうちにこのトンネルでも霊を見たという噂が立つかもしれない。

旧小別沢が開通していたころは、札幌市内の若者達の間では、肝試しスポットとして人気が高かかった。そのため、普段殆ど車の通らないこのトンネルは夜間になると数台の車にのった若者達があつまり、恐る恐る肝試しを楽しんでいたという。

しかし、このような怪しいトンネルであるにもかかわらず、実際に死者がという記録が殆ど無い。人柱に関しても、本来それ自体が自然災害などに対する信仰の現れであるため、トンネルに人柱を埋めるわけがないのだ。
また、戦時中に強制労働によって作られたという記録も残っていないため、ここで流布された異常な数の噂の殆どは、ここに集まった若者達を中心として作られた都市伝説であったと思われている。

しかしながら、このトンネルの人気は相当なものだった。ある層の年齢の札幌市民で、このトンネルに肝試しにいった事が無い人間を探す方が難しいといわれる。

そのためか、今でも閉鎖されたこのトンネル跡地を訪れる人は多く、皆一様に、若かりしあの頃を懐かしんでいる。