京都市内から国道9号線で洛西方面に進むと、やがて曲がりくねった坂道になる。そのまま登っていくと老ノ坂トンネルに行き着くのだが、手前で左にそれる道がある。車1台分しか通れない細い道だ。雑木林の間を縫うように伸びる道をさらに進むと、やがて道路が途切れて行き止まりになる。そこにあるのが首塚大明神だ。

首塚大明神は、平安時代に源頼光等によって征伐された酒呑童子の首が埋められた場所として伝えられている。観光地しても名高いが、心霊スポットとしての知名度も高い。鳥居をくぐると呪われるという話や、心霊写真がよく撮れる場所としても有名である。

雑木林の中にひっそりと存在する鳥居。脇の石柱に書かれた「首塚」の文字。何も知らずに、偶然ここへたどり着いてしまった人は、とても不気味に思うことだろう。

地元では有名な心霊スポットと化しているようで、「鳥居の手前になる手水舎(ちょうずや)で手を洗わずに入ると呪われる」といったうわさがある。肝試しに訪れた大学生グループが手を洗わずに鳥居をくぐると、帰りに車のブレーキが効かなくなって事故を起こしたことがあるらしい。

鳥居をくぐった先の道は、木の根でできた道になっている。このあたりは野生の猿が群生しているらしく、不気味な声で鳴いている。頂上には小さな拝殿と、土が盛られた場所がある。ここには平安時代の京都で暴れ回った大妖怪・酒呑童子(しゅてんどうじ)の首が埋まっている。

酒呑童子は幼名を外道丸(げどうまる)といい、寺に仕える人間だった。しかし大酒飲みがたたったのか、やがて寺を抜け出して大江山に住み着き、悪鬼・酒呑童子となる。

その姿は15メートルの巨体に目が15個、5本の角が生えているという醜悪なものだ。酒呑童子とその配下の鬼たちは京都の街で貴族の姫をさらうなど、暴虐の限りを尽くした。そこでとうとう、天皇から直々に酒呑童子討伐の命が下されたのだ。

討伐に向かったのは、土蜘蛛を胎児したことで有名な平安時代の妖怪ハンター源頼光と、その配下の四天王。彼らは酒呑童子に「神変鬼毒酒(しんぺんきどくしゅ)」という神から授かった酒を振る舞い、酔わせたところで首をはねた。

頼光一行がその首を手に京都へ引き返す途中、峠で一休みしていると、道の脇にあった地蔵から声がした。

「けがれた鬼の首を都に持ち帰ってはいけない。不吉なことが起こるので、ここへ置いていけ」

そういわれても、証拠の首を置いていくわけにはいかない。ふたたび歩き出そうとすると、それまで持ち運べていた首が途端に重くなった。そこで頼光たちは地蔵の言葉に従い、この地に首を埋めていったそうだ。

それは現在まで残っている首塚大明神だ。酒呑童子の怨念は首だけになってもいまだに健在で、深夜に行けばたたられるという話もある。ここに行く場合は、昼間にしておこう。

京都市西京区大枝沓掛町
34.987229
135.639419
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