東名阪自動車道四日市ICより国道477号を20分ほど行ったところにある三重県三重郡菰野町にある湯の山温泉郷は、傷を負った鹿が湯で癒していたとの伝説もあり、主に湯治スポットとして全国的に有名である。自然と一体化した湯治温泉としてのポリシーを貫いており、歓楽街化せず現在に至る。高山植物や紅葉、スキーなど四季折々の自然が楽しめ、また折鶴伝説がある三岳寺は恋愛成就の寺としても認知度が高い。

一見のどかで平和な温泉街だが、実はオカルトファンにとっても注目すべき場所でもあるのをご存知だろうか。湯の山温泉駅を左手に県道577号を行き、橋を越えさらに行くと右手に廃墟が見えてくる。通説としては鶯花荘という旅館の跡地とのことだが、実は社員寮であったとの証言もある。1960年代に建設されたが2008年には既に廃墟と化してしまった。ここは廃墟マニアの間でも有名で、菰野湯の山またはY山温泉O花荘とか呼ばれている。心霊スポットとしては定番の廃墟であるが、ここもご多聞にもれず、旧女鬼トンネルに次ぐ三重県随一のスポットとしてその名を馳せている。

道路側に面した窓全てにベニヤ板が貼られ、中を伺い知ることはできない。入り口付近のコンクリートは焼け焦げた跡。裏手に回ると窓はそのままだがカーテンが引き裂かれている。肝試しに来た男性グループが二階で腐乱死体を発見した話もあれば、入り口の焼け焦げはいたずらで起こしたボヤの跡とも言われている。

「この廃墟に足を踏み入れると近日中に事故を起こす」とは、この廃墟についてまことしやかに囁かれている噂であるが、過去のデータを見ると、噂の範疇を超えているのはないかと思わされる。

・平成11年5月 三重郡部の男性3名 愛知県内にて車両大破の事故。

・平成11年8月 四日市市の男性4名 同市内にて堤防より転落。

・平成11年9月 鈴鹿市内の男性5名 四日市市にて車両大破の事故。

・平成12年1月 四日市市内の男性4名 鈴鹿市内にて車両大破の事故で重傷。

これらは全て廃墟に立ち入った後に発生した事故であり、定かではないがなんと16名もの人々が命を落としたとのことである。興味深いのは、これらの事故のほとんどが、肝試し当日でなく数日後に発生したことだ。もしこれが当日であればドライバーの疲労や、峠での運転操作の誤りなどが考えられるが、数日後となると話が違ってくるのではないだろうか。

噂は他にもあり、最上階の一番奥の部屋に男性の霊、敷地内の橋の下にある木々の一つに首吊りロープがあるが、それは実際に首吊りに使用されたものであるとか、廃墟が見える旅館に宿泊し、窓からズームで廃墟の撮影をしたところ霊が写っていた…などがある。

簡単に立ち入れる場所ほど、より危険な心霊現象に遭う確率が高いという。それは悲惨な最期を迎えた者たちが霊になって我々を罠にはめようとしているのかもしれない。心霊スポット巡りをレジャーの一環と考えている人が一定数いるのは確実である。一部の人気スポットは観光地化しているとも言える。だが、ただスリルを味わいたいとの安易な思いだけで立ち入ることは、そこにいる霊や念を踏みにじることになりかねない。霊もそのような者たちを見抜いて、後に取り返しのつかないような事故に導いていると考えても過言ではないだろう。そこのスポットに込められた念や思い、意味をよく考え、何よりも敬うことが大事である。心霊スポットに面白半分で行ってはいけないとはよく言われるのはこういうことではないだろうか。

三重県三重郡菰野町菰野4800-1
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