高知県土佐清水市下川口

ヴァンガード竜串

高知県土佐清水市下川口にあるヴァンガード竜串は高知県で有名な心霊スポットであり、サバイバルゲームのフィールドなどにも使われている。太平洋を眺めることができる小高い丘の上にあるのだが、昭和48年に竜串ハイランドホテルという名でオープンしたホテルだ。竜串ハイランドホテルは昭和末期に閉鎖し、その後平成になってからは平成2年にヴァンガード竜串としてリニューアルオープンした。しかしわずか2年で閉鎖して以来は廃墟として放置されており、非常に交通の便が悪いところだが、多くの若者が訪れるようになっている。建物は6階建てと高く、建物はかなり大きい。サバイバルゲームなどに利用されているため、内部はかなり荒れている。排水溝がむき出しになっていたり、床が抜けていたり、ガラスが割れていたりするため、中を探索するのは危険な状態となっている。

ヴァンガード竜串へのアクセスは、まず竜串海中公園から国道の321号線を西へ進み、ガソリンスタンドの手前から右側の未知に入る。そこから山道に入ってのぼっていくと辿り着くことができる。

内部では自殺があったという噂があり、多くの幽霊の目撃談や、気分が悪くなった、目が見えなくなった、強い疲労を覚えたなどという話がある。

ある心霊スポット好きの大学生は、夏休みに友人と数人でヴァンガード竜串を探索しにいった。ヴァンガード竜串は高知では有名な心霊スポットだったため、その大学生の周りでも「あそこは出る」と肝試しのスポットとしてよく利用されていたそうである。大学生と友人はバイクでヴァンガード竜串の廃墟へと向かい、さっそく中に入って探索した。

中に入って、まずは1階を探索したが何も見ることはなく、何も感じることはなかった。次に階段で2階にあがったがここで霊感の強いという友人の一人が「さむいさむい」と言い出した。しかし季節は夏であり、いくら自然にかこまれたところだと言っても寒くなるはずはない。大学生たちはそんなこと気にも留めずにそのまま3階に上がった。ここでこの大学生と友人たちは、一気に空気が変わり、異常な雰囲気になったのを感じた。それでも足を止めず、客室を一つ一つ見て回ったところ、その中のある部屋で霊感の強い友人が、女がいる!と叫んだそうだ。さすがに驚いた大学生たちは急いで逃げたが、途中の窓には手をガラスにべったりとつけてこちらをじっと見る女性の霊がいたという。大学生たち階段を駆け下りてバイクに乗り、そのまま一目散に逃げ帰ってそうだ。

また別の話では、カップルが同じくホテルの中で霊を目撃したという。そのカップルはもともと心霊スポットとしてではなく眺めのいい廃墟を見るためにヴァンガード竜串へドライブしていた。昼間につくように向かっていたのだが、はじめての道で迷ってしまったため、ついたころには暗くなり始めていた。カップルはおそるおそる中に入り、探索していったのだが、途中では幽霊や怪奇現象にあうことはなかったそうだ。しかし眺めがいいという屋上について、風景を見ようとしたところ、そこに黒い影があることを見つけた。それはよく見ると男性の霊で、ただ何をするわけでもなくこちらをじっと見つめていたのだという。カップルは急いで逃げ帰ったが、女性の方は車に戻ってからしばらく意識が朦朧としていたという。それが幽霊が原因なのか、ただショックで気分が悪くなったのかはわからないが、もしかしたらそれが自殺した霊の仕業なのかもしれない。