バイオレンス韓国

ある孤島で、日中は目上の女から小言を言われ、夜になると男たちから凌辱され続けていた女が凶行に走るというのがざっくばらんなあらすじだけど、このボンナム役であるソ・ヨンヒがとにかくすごい。役に入り込んでいるとかそういうレベルじゃなくて役に蝕まれてしまったのじゃないかというほどに鬼気迫る凄まじさがある。それは凶行に走る前の朗らかであり欝屈とした表情があるからこそ、より深くそう思えるのだけど。
バイオレンス韓国映画といえば、よくわからんとてつもないテンションでやぶれかぶれに爆進するイメージがこびりついているがこれはそういった既成概念とは明らかに異なる。他の韓国映画と同じように痛々しいし、残酷描写も気合いが入っている。だけどバイオレンスにも関わらず美しいのである。ボンナムが凶行を決意する際に太陽をにらみ続ける姿に殺伐とした修羅に魅了されてしまった。
それに普通はこういった虐げられた人が逆襲するストーリーは犯行に及ぶにつれて気持ちが昂ぶって快感に変わるものだけど、今回は犯行が近づくにつれてひりひりする痛みが伴う。
バイオレンス韓国の最高傑作と謳われているけど(勝手に日本人スタッフが後付けしたとしか思えないが)明らかに異質なのはキム・ギドクの助監督を務めていたチャン・チョルスだからなのだろう。これがデビュー作とは末恐ろしいものだ。
それとコメンタリーが山口雄大と井口昇によるバタリアンズなのも見逃せない。映画と関係ないスシタイフーンの話に脱線するのもご愛嬌。これだけバタリアンズのコメンタリーの映画が多いということは需要があるのだろうか。

韓国の島の女の鬼気迫る復讐話

最近韓国ホラーも見るようになり、結構いい映画が多いなあ!という印象でした。
「ビー・デビル」この映画は凄い映画です。日本映画に共通する部分が結構あり必見です。
内容はソウルの銀行に勤める女性が、仕事での客の対応に疲れ、車内でも問題やトラブルを起こし、都会から逃げ出すように子供時代にすごした小さな島へ向かいます。
出迎えてくれたのは幼馴染の女友達と島民達。島民は全部で9人という島です。幼馴染はいつも笑顔で陽気だが、実は家族と島民達に日々迫害を受けていました。
夫には暴力攻めにあい、夜は夫以外の男の性の捌け口です。昼間は農業で島民に奴隷のようにこき使われています。
ソウルから来た女性にあこがれた彼女は娘と一緒にソウルへ連れて行ってほしいと頼み、その日が来ました。
しかし、夫に見つかり、島民達に暴行を受けついには娘まで死んでしまいます。ここで彼女はプッツンしました。
島民達を一人ずつ殺し始めたのです・・・という話です。
前半はとにかく見るも可愛そうな迫害のシーンの連続です。それでも彼女は耐えて笑顔でがんばります。娘の死を機に、復讐の殺人鬼と変貌します。
殺人鬼と化した彼女の怨念というか変貌振りが凄いのです。
後半は彼女を応援してしまいました。誰もが好きなリベンジホラーです。それまでの経緯がつらいものであればあるほど後半が生きてきます。
まさにこの「ビー・デビル」はこういう映画です。閉鎖された空間と少ない島民が余計に異様な雰囲気をかもしだしています。
やっぱりお隣の国なので、感性が似ているなあと思いました。

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