楽しげに制作する園子温さんが目に浮かぶようだ。

見る前から予想はついていたけど、やはりB級ジャパニーズホラーでした。
髪に纏わる女の子の怨念の話です。
栗山千明ちゃんの髪は確かに綺麗でした。
佐藤めぐみちゃんは個人的に大好きな子なので、出演してくれていたのが嬉しかったです。
CGがしょぼかったのが残念。
特に目から髪が生えるというのが、リアリティが出てなかったから逆に萎えちゃいました。
舌から毛が生えるのは結構リアルだったのは、そこだけCGじゃなくて実際に毛を使っていたのでしょうか。
大杉漣さんが毛を愛する異常な死体管理人を演じていて、それがかなりキャラ的に確立されていて気持ち悪かったのが良かったです。
この映画はコメディ・・・と捕らえていいのでしょうか。
何となくコメディっぽいところがあって、でもオカルト色を全面に出したいのならコメディと言ったら申し訳ないし、コメディであったら失敗だし、コメディでなくても失敗ということなので、どちらでも構いませんが、中途半端です。
特に毛や美容院が恐くなるといったような恐怖感はなく、どちらかというと見知らぬ男たちに拉致られて内臓と髪の毛を生きたまま奪われて家族に会えないまま死んでいくのは嫌だなぁという現実的な危機感を感じた映画でした 。ホラー映画なのにPVが入っている斬新さ。ヘアー、ヘアー、Myヘアー♪って歌が気に入った。
全体的にホラーっぽい感じもしない。楽しげに制作する園子温さんが目に浮かぶようだ。
怖いというか濃い。

笑いに逃げてしまっています

その美貌と凶暴な演技で世界中の男性(ドM)のハートを鷲掴みにして放り投げている大女優、栗山千明先生主演のポンコツホラーコメディーです。大杉漣も出てます。

栗山千明大先生はこの映画でも本当に素晴らしいです。他にも女優は沢山出ているのですが、明らかに抜きん出ている感じで、とても魅力的に美しく撮られています。この点に関しては、監督にも惜しみない賞賛を贈りたいですね。

しかし、他の部分はしょうもない感じが延々と続く残念な作品でした。

一番の問題は、コメディ的な部分がまったく面白くないところです。最初はストレートで陰惨なホラーなのかと思っていたのですが、途中から「これはわざとふざけている内容なんだな」と気付きました。

監督の舞台挨拶にもあるとおり、様々な要素をなんでも詰め込んだ作品であるとは言えます。しかし、それらがお互いにぶつかりあっている気がします。

美容院の描写がオシャレなトレンディドラマ風だったり、児童虐待の描写が本当に不快だったり、漣の演技が過剰に馬鹿馬鹿しかったり、CGが妙にチープだったりと、それぞれが妙に浮いてしまっていてやたら気になってしまいます。

それが狙ったものなら仕方ないのですが、どうも監督は普通の娯楽映画を作りたかったみたいですし…。特にクライマックスくらいはホラー色を前面に出すべきなのに、笑いに逃げてしまっています。

この映画を面白いと思う方もいるのでしょうが、僕はダメでした。日本のホラーの悪い典型のような気がしました。悪ふざけで終わるのを、「コメディだから」と言い訳しているような作品が多いと思います。

園作品はなんかクセがあってちょっと・・・という方にも大丈夫

「冷たい熱帯魚」「奇妙なサーカス」あたりで「うっひゃー園監督の映画ってなんかクセが強いわー」と思って避けているような方にも安心、園色のそんなに強くないスタンダードなつくりのホラーです。

かといって、安っぽいVシネマのホラー作品というわけでもなく、悪の元凶の大杉漣演じるおっさんの尋常じゃなさっぷり、娘を虐待する母親といった人間のエグみを濃くしたようなキャラクターはやっぱり園監督の手によるものだなあと思わされます。

罪もない人もガンガン死んでいきますが、この母親が死ぬときは実に爽快でございました。部屋が髪の毛でうずめられてジャングルみたいになるシーンといい、「これは怖がらせようとしてやっているんだろうか?」という箇所が多々見られます。これは監督がホラーという皮をかぶらせて出した、本来はギャグ作品なのではないかと思うほどに。

深くテーマを探るとするなら、先にも述べましたが原因となっているのはむしろ犠牲者である少女なのだけれど、災いをもたらしたのは一人の男の歪んだ偏執によるものなのです。彼にしたって、別にいっぱい人を殺してやろう、なんて思ってやっていない。自分のエゴを満たすためにやっているだけで、それが結局災いを生んでいるわけです。それは善なものではもちろんないけれど、決して誰かに向けられた悪意でもないというところが性質が悪い。

ラストもすっきりと終わっていて、めでたしめでたしというところです。ホラーを観て怖がりたい! という人には手ごたえがないかもしれませんが、作品としては楽しめます。

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