なんか憎めん

「ヤクザ」と「牛」と「リ・ボーンする哀川翔」と「母乳」と「吉野きみ佳のエロさ」が、この映画の見所であると思います。
世に才のある映画監督は数あれど、吉野きみ佳から哀川翔が産まれてくるシーンを撮れる映画監督は、恐らく三池崇史だけでしょう。
最初の1、2分は、普通の極道もののVシネっぽく始まるのですが、「ヤクザ犬」が出てくるシーンあたりから「もうこりゃ普通じゃない」と思わせる展開が待ち受けています。
ヤクザを殺すために専門的に訓練された犬、「ヤクザ犬」ヤクザをひき殺すためにつくられた「ヤクザカー」役に立たなくなったヤクザを捨てるための施設「ヤクザ処分場」牛乳頼んだら母乳入れてくれるおばちゃん。
台所の「おたま」をケツに突っ込みながら、オルガズムに達しながら、悶死する、組長石橋蓮司。なぜか全編ちょっとホラー調。
そして牛さんは、白ブリーフを着用しております。さらに吉野きみ佳は、お湯に浸すと元に戻ります。
そんなメチャクチャな展開が、名古屋で繰り広げられる。
もうとにかく役者の使いかたが素晴らしい!
天下の哀川翔や石橋蓮司ほか、主役の曽根英樹や吉野きみ佳、曽根晴美(曽根英樹の父親)、火野正平、間寛平、遠藤憲一、などなど、結構な芸達者さん(哀川、石橋やら)や、名前を言うだけで笑いがこみ上げてくるような、存在そのものが「ネタ」のような役者さんたち(例えば火野正平)が入り乱れては、狂喜乱舞しながら奇行に走ります。
もうね、散々な扱いをされるわけですよ、いい年した役者さんたちが。三池監督に酷使されてる役者さんたちを見てると、ほんと幸せ。
贅沢やなぁ。こういうノリの映画ってえぇなぁ。恐らく三池崇史にしか可能ではない役者の使い方ではあるけれど、もしかしたらこれこそが理想的なやり方なんじゃないかななんて思わされるほど、すがすがしいです。
そりゃ『ビジターQ』で内田春菊に母乳絞らせて、全世界の母乳フェチを狂喜乱舞させた監督やもんなぁ。
ドタバタしてて汚い。でも、なんか憎めん。
そんな感じで何回も観ていると、自然に愛着が沸いてきて、もう一生手放せなくなる大切な映画になりかねない、そういう、三池監督にとっては不本意であろうとなかろうと、この映画を抱きしめてお布団に入りたくなる、そんな映画です。

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