実話を映画化

怪奇現象が起こり、親父は気がふれて、オノをふりまわし、家族を殺そうと。なんだか「シャイニング(S/キング)」に似てますな。
オリジナル版公開当時、なんというか、正直、おもしろくともなんともないので、「実話がもとになった」という”フレコミ”がなければ、ヒットしたのか、と、いぶかる声が多数あった。
それほどに、話としては、おもしろくともなんともない(笑)今回のリメイク版でも、それは同様。たいした内容ではない(笑)
そうなってくると、演出や映像の”好き嫌い”ということになってくるが、オリジナル版が「静と動」を極端に配置し、”霊感”という雰囲気を大事にした、ある意味、まどろっこしい演出だったのに比較し、リメイク版では、特殊メイクや、CGを、これでもか、これでもかと持ち出し、「ジェットコースター」的に、「動、動、動」で物語をすすめている。現代風って感じでしょうかね。
ただ、主演の男優については、一言いいたい。
オリジナル版では、「いい人」だった親父が、どんどん「顔色が悪く目の下にクマをつくり」、ものすごく残忍な事件を起しそうな悪人顔になっていく。
しかし、今回のリメイク版では、最初から最後まで血色のいい「いい人」のイイ男のまんまだ。
そうすると、役者自身が、どんどん”気がふれていく”演技だけで物語を盛り上げていかねばならないが、その技量は、ジャック・
ニコルソンには遠く及ばず、ただのイケメン俳優のままである。
それでは、おもしろくない(笑)
そのせいか、本来、恐怖の主人公ではない、嫁さん、子供、家政婦、神父の方が、なぜか光って見える。
彼らの怯え方が、とってもよい。とても、恐怖を感じる。
どうしても、観ているうちに、シャイニングとかぶってくるのだが本作の監督・製作陣は、「悪魔の棲む家」のリメイクではなくひょっとして「シャイニング」のリメイクを作っているつもりだったのだろうか。

悪魔の棲む家

「家」によって発せられた声により家族全員を惨殺した。そんな荒唐無稽な殺人事件から物語は幕を開ける。

事件から一年後。ラッツ一家は例の「家」を格安で購入する。新たな家で夫婦に子供3人+犬、合計5人+1匹による幸せな生活が始ま……るわけがない。なんてったってこの映画のタイトルは「悪魔の棲む家」ハートフルなストーリーが展開されるはずがないのだ。

家族の大黒柱であるジョージ・ラッツは「家」から発せられる声により、だんだんおかしくなっていく。地下室に籠もりきりになり、妻や子どもたちに厳しく当たる。一方で子どもたちもおかしくなる。「家」に棲まう悪霊たちと会話し、それがまた父を苛立たせるのだ。

次第にジョージは幻覚を見るようになり、凶器を片手に……と、よくある筋書きのストーリーだ。

鑑賞を終えた時の率直な感想を言うと、「うーん、B級映画だなぁ」である。「家」の声により一家を惨殺した事件というのはどうやら実話のようで、冒頭は興味を惹かれた。しかし肝心の創作部分はB級である。制作側も分かってやっているのか、いい年した少年にイカれたベビーシッターをつける展開等で視聴者の笑いを誘ってくる。正直ここは笑えた。あんなベビーシッター絶対いないだろうと。いくらアメリカでもあれはねーよ、と。

ホラー部分に関してもあまり恐怖感がないというか……どこかで見たような展開が続く。ホラー映画が好きな層が新鮮に感じる部分は無いだろう。

とは言え、一定のクオリティは満たしていると思う。個人的なオススメポイントは映画「キック・アス」でヒット・ガールを演じたクロエ・モレッツの可愛らしい姿だ。現在の名役者の過去(今でも十分すぎるほど若いが)を拝むつもりでこの映画を見るのも一つの手、だと思う。

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