演出の手腕は見事

「D」は、人間と吸血鬼の混血“ダンピール”であり、吸血鬼を猟る“ハンター”。
ある資産家から、“貴族”(吸血鬼の事)に連れ去られた娘を救い出してほしいと依頼を受け、逃走する貴族を追う「D」。
そこへ、同じ依頼を受け貴族を追う兄妹ハンター「マーカス兄妹」や、貴族から依頼を受け護衛につくバルバロイの里の魔人達が立ちふさがる。
そんな連中と行く先々で闘いながら貴族を追いたどり着いた先は...。
作画の質はかなり高い。原作に比べて、対マーカス兄妹戦や対バルバロイの里の魔人三人衆戦、対カーミラ戦がかなり簡素に描かれていたり若干展開が違っていたりするが、しっかりした構成でストーリーは破綻してない。
原作の「妖殺行」は、個性的で魅力的なキャラクターが沢山出てくる「吸血鬼ハンター」シリーズ中にあっても特に癖の強いキャラクターが沢山出てくるという点で一二を争う作品だ。
そんなキャラクター達とのかかわり合いや戦闘を忠実に描いたら3時間でも納まらないだろうし原作を読んだ事のない人にはとてもついていけないものになってしまっただろう。
むりやりまとめればきっとストーリーにも破綻をきたしてしまったに違いない。
しかし、貴族マイエルリンクと人間シャーロットの悲恋に重点を置いてまとめた事により非常にバランスよくまとまった。その脚本や演出の手腕は見事。
そして、このシリーズのファンならば最も強く印象に残っているだろうフレーズ『それはそんな微笑みだった。』までも完璧に映像化して見せてくれている。原作者の菊地さんが絶賛するのもわかる気がする。
この映画は海外での公開を前提に制作されており、そのため台詞は英語で、日本での公開時には日本語字幕がついた。
DVDで日本語版も別に発売されているが、まずはこちらの劇場公開版を先に観てほしい。

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