史上最高のドラキュラ

この映画、実は俳優序列はピーター・カッシングが上。つまり、主役はカッシング。そのせいか、「待ってました」ヴァン・ヘルシング博士がやたら渋くてかっこいい。
その上とてもアクティブ。ラスト、食台の上をだだだっと走りぬけ、窓に下がったカーテンに飛びついて引っぺがすシーンなど、「おおっ!」と目を見張るヒーローぶりです。
とはいえ、やはりクリストファー・リーのドラキュラ伯爵は、個人的にドラキュラ史上最高のドラキュラ。
長身痩躯で気品があって、セクシーでしかもむやみと力持ち!。
これ一作でリーは大スターとなり、13年後にもう一度「ドラキュラ‘72」でカッシングのヘルシング博士と対決した時には、堂々、俳優序列のトップに君臨したのでした。
ちなみにクリストファー・リーは、世界で一番出演した映画の本数が多い国際俳優として、ギネスに認定されています。しかも、現在も記録更新中。さすが不死者。
よくよく考えると、映画の中でドラキュラ伯爵の居城がトランシルバニアとは言われてません。なんと馬車で一晩で着ける場所にある。
従ってドラキュラは船に乗って来ないので、幽霊船の曳航もネズミの上陸もない。ジョナサン・ハーカーはミナではなくルーシーの婚約者で、しかもドラキュラ城で死んでしまいます。ミナはルーシーの兄アーサー・ホルムウッドの奥さん。レンフィールドもセワード医師もアメリカ人の富豪も出て来ない。…ほらね、全然原作通りじゃない。

さすがに名作って言われる事はある

オープニングの鳥の像。

一瞬、「エクソシスト」のオープニングを思い出した。

1957年の製作という事だから、55年も前の映画になるけど、やっぱりテクニカラーは発色が綺麗。

同封のノーツの、日本公開時のポスターに表記されてる「総天然色」のコピーも、当時の雰囲気が感じられて良い。

まだ、テレビは白黒の時代やもんな。

ストーリーが原作ってクレジットされてる「ドラキュラ」とあんまり似てなかったような…。

原作を読んだのは十数年前で、内容もうろ覚えなんで、自信はあまり無いけれど。

まぁ、原作を変えてようが面白かったら、無問題。

この映画は充分に「面白い」の範疇に収まる出来だし。

雰囲気はかなり良くて、さすがに名作って言われる事はある。

展開も無駄な部分がほとんど無いし(裏返せば遊びが無いんやけど)

ただ、やっぱり、今の目で見ると、冗長に感じる部分がチラホラ。

ハマーって言ったらエロだけど、50年代の映画だし、お色気描写は可愛いもん(ハマーがエロを前にガンガン出すには後10年ほど必要…残念)

クリストファー・リーの名演とか言っても、ドラキュラは出番も多くないし、セリフも少ないから、存在感はともかく、演技力云々はどうかなぁ…。

大体、OPクレジットでも、メインタイトルの前に「Peter Cushing in」て書いてあるし、主役もどう見てもピーター・カッシングの方だし。

ただ、この映画でリーが注目されたって事は嬉しい事だけど。

「ウィッカーマン」も「黄金銃を持つ男」も好きだし。

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