ハロウィンの夜の惨劇

「ハロウィン」は、ジョン・カーペンター監督の出世作といえる作品で、シリーズ化されています。いわゆるスプラッタホラーの代表とされていますが、スプラッタ系が苦手な人には辛いかもしれません。けれども、第一作目はそれほど血しぶきなどの映像は出てこないのでまだ大丈夫です。この映画の恐怖をあおる音楽は、カーペンター監督自らの作曲ということで、怖さを盛り上げています。「ハロウィン」シリーズの有名な殺人鬼ブギーマンことマイケル・マイヤーズは、白いゴム製のハロウィンマスクをつけ、紺色の作業つなぎを着ていて、闇の中から現れる姿が恐ろしい限りです。舞台はイリノイ州の街ハドンフィールド。事件はほとんどが10月31日のハロウィンの前後に起きています。1963年10月31日のハロウィンの夜に、マイヤーズ家の長女ジュディスが殺されました。犯人は当時まだ6歳の長男マイケルでした。マイケルは精神病院に入れられますが、15年後、21歳の時に、病院の職員たちを惨殺して脱走します。マイケルは、途中で作業員を殺して作業つなぎを奪い、白いハロウィンマスクと刃物を盗んで、高校生の少女ローリーを狙います。後から分かることですが、ローリーは実はマイケルのきょうだいでした。マイケルは無差別殺人を繰り返しているように見えますが、最終的には自分の血縁を狙っているのです。マイケルの担当医であるルーミスが、拳銃を持って、マイケルの実家のあるハドンフィールドに赴き、ローリーを助けるのですが・・・。サイコ・キラー、ブギーマンのマイケルが本当に怖いです。

神秘性すら感じる魅惑の一品

『13日の金曜日』や『エルム街の悪夢』よりも前に作られた元祖スラッシャームービー。

30万ドルの製作費で5000万ドルの興行収入を得た低予算映画の鑑と形容したくなるけど、それは単なる話題性だけじゃなくきちんと裏打ちされた製作サイドの腕によるところが大きいのではないだろうか。

ハロウィンを代表するテーマ曲は常に不安を煽り、そのテーマ曲が流れるだけでこれから嫌なことが起きるのだな、と身構えることになる。これはブギーマンが出てくるよー、といった謂わば入場曲の役割も担っている。誰かプロレスラーでこのテーマ曲で入場してくれる人はいないのか。これを聞くだけで相手の戦意を喪失させるだけの力はあると思うのだが。

そんなブギーマンに追い詰められるローリー扮するジェイミー・リー・カーティスの狂気じみた演技が不穏な世界に花を添える。さすがにスクリーム・クイーンと呼ばれていただけあって絶叫のシーンはこの映画のハイライトのひとつとなっている。またこの人の体つきがエロくてその点でも好感がもてる。

オリジナルの前にロブ・ゾンビのリメイクを先に見てしまったこともありそのあまりの方向性の違いに若干戸惑いを感じた。ゾンビのはちゃめちゃ血塗れ惨殺ムービーも捨てがたいが、やはりカーペンターのハロウィンはクラシックと呼べるほどの完成度だった。

ゾンビ版ではまったく見てとれなかった常時つきまとう不穏な空気間、ブギーマンのこの世のものではない超越した存在、と神秘性すら感じる魅惑の一品に仕上がっている。

ロブ・ゾンビも所詮は人の子

良くも悪くも、この人の好き勝手に撮るスタンスが好きで、観てみましたが、ロブ・ゾンビも所詮は人の子ですね。

序盤のマイケルが少年期の頃は、監督自身の”一般人は殺人鬼には勝てない”という持論を展開していて、らしさはあったんですけど、なんか犠牲になる人間が露骨に悪なんで、殺す人間の方が正しいみたいに撮っちゃってるのが鼻につきましたね。

周りがどうしようもない人間だらけで、もはや殺人を応援しないといけないというか、殺人鬼から逃げるというハラハラ感はまるでないですよね。基本的に序盤は殺人鬼目線で話は進んで行きますから。”テキサスチェーンソー・ビギニング”なんかもそうなんですけど、私は好きになれませんね。

要は、マイケルの殺人鬼になって行く人格が形成されて行く時期で、不幸な環境がそうさせたやら、マイケルは可哀想な境遇に生まれて来たんだみたいな事が言いたいんでしょうけど、殺人鬼目線という一見客を突っぱねた撮り方しているんですけど、周りが分かりやすいぐらい露骨に悪なんで、所詮は一般大衆向けに感じるんですよね。となると凄い説得力に欠けるんですよ。マイケルにとってターニングポイントになる時期なんで、ここはもうちょっとシビアになった方が良かったのかもしれません。

後半はとにかく酷いですよね。単なる王道ホラーというか、らしさもないし、王道のわりには殺人鬼が出突っ張りなんですよ。もう主人公と同じぐらい出てるんじゃないですか。”見えない怖さ”みたいなものがまるでない、殺人シーンが多いのも、所詮はワーキャー言わせる為に作った商業映画なんですよね。

なんだかわからない不気味さが溢れてます

オリジナル版は最近初めて観ました。そういえば昔金曜ロードショーでやってたな〜とか思い出します。

昔はなんとなくジェイソンの二番煎じみたいなイメージがあったんだけど、こっちの方が先なんですよね。

先駆者なのに知名度で負けちゃうマイケル。

確かに地味なんですよね(笑)ジェイソンやらフレディやらと比べたら見た目からなにから全て。

ただストイックさは感じるのが幸いですが。

マイケルだけじゃなく作品自体にも地味さが溢れてます。

血もほとんど出ないし。

ただ、この年代のスラッシャーホラーって血の量少なめなんですよね(13金しかり悪魔のいけにえしかり)

それでも後世に語り継がれるのは作品から滲み出る空気が「ホラー」たらしめてるからなんだと思う。

この作品もなんだかわからない不気味さが溢れてます(特に前半が)

オープニングやエクソシストやサスペリア的な音楽、闇を活かした映像とか上手いと思います。

単に暗いだけなのかもしれないが、逆に効を奏してる。

話はよくわからない部分が多々あるし、人物に魅力が無い(ヒロインが可愛くない)など難もありますが、なかなか面白かった。

個人的には、最後の家具や町並み、マイケル家の短いカットの連続ショットが素晴らしいと思いました。

不穏さや次作への期待感の煽り方が○

そういう部分が名作と呼ばれる理由なんだろう。

余談

劇中で「The Thing」観てたのが楽しい。

これの数年後、監督自らリメイクして金字塔打ち立てるとは自分でも思わなかったろう。

レビュー投稿