チープ

本作でもインパクト抜群の54人電車飛び込みに始まり、その後も拡大していく自殺の連鎖が続きますが、その理由はいったい何なのか?というのが物語のキモ。
とあるWebサイトに真相を解くカギはあるのか?え?主人公話半ばで死んじゃったよ!
おいおいROLLYが犯人かよと思ったらまだ人死んでるし!んで電話のガキ誰だと観てる方は攪乱されまくり。
そして一人の少女が自殺した彼氏の部屋の少女アイドルグループのポスターから一連の事件の真相に迫るんだけど…結局物事の真相は十分に明らかにされないままで物語は終わるw
しかし、これがちょっと他の作品とは違う得体のしれない怖さを醸し出してるような気がします。思えば『紀子の食卓』はそこをもう少し理由づけしようとしたから違和感を生じてしまったのではないか、と。組織()とかやっちゃうと途端にチープになっちゃうんだよね。
本作の結末で少女と対峙する子供たち。彼ら達の繋がりもわからないし、行動の動機もわからない。「あなたとあなたの関係は?」という禅問答チックな問いかけ。
「わたしは、わたしと関係あるわたしだよ!」と啖呵を切る少女。彼女は自分自身の言葉でその問いに答えたから自殺の波に飲み込まれることがなかったのかな。いやまあホントのところはどうだかわからないけど。ラストで女子高生達の携帯に一斉に流れる同じ着メロ(これがまた時代を感じさせる)。
これはまた最後に飛び込みワッショイあるん?と思ったらならないって肩透かしも面白かった。

不可解でしかない映画

石橋凌と永瀬正敏のコンビといい、『セブン』をホラーでやりたかったのかなぁって思いました。

もうちょっとROLLYのキャラをダミーとして扱うとか、もうちょっとオチをドンデン返しっぽく押し出すとか、これだけの題材ならもっとやりようは幾らでもあった気がするんですけどねえ。しなかったんでしょうねえ。出来なかったワケじゃなかったのにしなかったといった印象でしたね。不可解さとシュールさがギリギリのラインで全部ギャグの域までいっちゃってるんですけど、コレもなんとなく怖さとギャグのスレスレのラインを狙ってミスったというよりは敢えてギャグ寄りにした感じですね。そうとしか思えない演出ですもんね。

まあただそれが良かったかと言われれば私は逆をやった方が面白かったんじゃないかと思います。「この『敢えて』は必要か?」っていう、そんな感じでした。

きっとあんまりスッキリ解決させずに終わりたかったんでしょう。

「もうココはこんぐらいフワッとさせとこ!」っていう考えのもとにゴールを設定しちゃったんで、そこに向かう過程も不可解にせざるを得なかったっていう作られ方じゃないですかね多分。

なので、まあやりたい事は分からなくはないって感じですが、基本的には「あぁ、そうしちゃうんだ…」の連続ですね。不可解でしかない映画です。

ですが不思議なことにそんな映画を90分も観させられた事に対してあんまり苛立ちみたいなのはなかったんですよね。結構こういうの観ると「レンタル代返せ」とか「時間返せ」とか思ってしまうんですけど、コレは完全にそっち系なのに何故か平気でした。

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