深海もの

深海だろうと宇宙だろうと、宇宙人には面倒くさくても大量に人間を殺してもらわなければ困ります。
笑顔でやって来て、「ちょっとこれ、つまらないものですが」とお茶請けを包んだものを渡されたら、実生活では「どうも、お気を使わんでください!」と笑顔で対応したいところですが、これは娯楽映画です。
殺し合いをしない宇宙人なら、そもそも宇宙人なんか出る必要ありません。
殺人鬼、幽霊、ロボット、巨大ザメ、巨大ワニ、米良美一など、地球上にも化け物はいっぱいいるのです。
そんなことで、この映画は観ないまま長い年月が経ち、遂にこの度アビスを観る機会を得たわけですが、まあ宇宙人については本当にガックリな野郎でした。
水族館の見世物みたいな、キモ可愛い外見で親しげにやって来て、「戦争はいけないよ。原爆はあぶないよ。」と原爆ドーム近くの市街でチラシを配るようなことをするんですからね・・・。
いや、メッセージはごもっともで、原爆のヤバさはゲンがガッチリ教えてくれたので知ってますし、プロ市民の皆さんに喧嘩を売る気は毛頭無いのですが、これはSF娯楽映画ですよ!
説教の前に娯楽を提供して欲しかっただけなのです。
ただ、そこはキャメロン監督。
娯楽映画を山ほど作って成功させているプロ監督ですから、どんなに宇宙人がポンコツでも、ちゃんと別の方法で娯楽を放り込んでくれました。
前半は深海パニックもの、中盤からは人間同士の争いとなり、潜水艦のチェイスまで見せてくれるサービスぶり。
終盤は人情ものでキッカリ泣かせたあげくの、前述の説教エイリアンの登場です。
本当に長い映画(完全版なので3時間近い)なのですが、中身はちゃんと濃いため、意外に退屈させません。
なんでここまで、と思うぐらい様々な要素が詰め込まれており、監督にとっては本当に作りたかった勝負作だったのかもしれません。
今観ても決してチープに思わせない特殊効果もさすがです。
殺人魚フライングキラーよりも格段に面白い作品となっておりますぞ!

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