ゾンビがペット

ゾンビがペットになっちゃった!という奇抜な設定のホラーコメディーです。
日本版の予告編がとても良い出来で、これを見て興味を持った方も多いと思います。
僕はペットを飼ったことはほとんどないのですが、子供の頃にハムスターを飼っていたことがあります。
見た目は可愛らしいですが結局はネズミですのでこちらに懐くわけでもなく、たいして愛着が湧いた覚えはありません。
その後、冬に動かなくなった彼らを見て「完全に死んだ」と思い込んだ父親にゴミ箱に捨てられてしまいました。
そんな経験しかないので、別段ペットを飼いたいとも思ったことはないのですが、世の中にはペットを飼う人々が実に多いものです。
服を着せたり、専用の部屋を用意したり、「ごはん」としゃべっている!と頑なに信じたり。
犬や猫では満足できない人もいて、豚や蛇やワニ、あまつさえ巨大なゴキブリをペットにしているという人も海外にはいるようです。
この「ゾンビーノ」という映画では、死人をペットにしたら?という大胆な提案を掲げています。
人は死んだらゾンビとなって、人を襲いその肉を食らう凶暴な存在になりますがそんな恐ろしいものを完全な支配下に置くというところに、たまらない興奮を感じる(特に女性)ようです。
配偶者や子供といった存在は、どんなに従順に見えても決して安心することは出来ません。
人間である以上、誰かの思い通りには決してならないように出来ているからです。

ゾンビ・ファンタジーという新たなジャンル

ゾンビ・ファンタジーという新たなジャンルを作りだした映画。下らないかと思ってみたけれど、とても可愛い映画だった。

放射能の影響で死んだ人間は全員ゾンビになってしまう世界。でもご安心を!とある博士が開発した首輪をつければ、ゾンビは人を食べたい欲求を抑えられるのです!人肉を欲しないゾンビは使用人としてお使い下さい。ゾンビを何人雇えるか、それが社会的ステータスとなるのです!

この映画のいいところは、設定はそれほど凝ったものではないけれど、物語の舞台を60年代のアメリカ風にしているところ。それによって、色彩がとても鮮やかで、ゾンビが家にいるという異常な光景がとてもポップに見えてくる。とにかく可愛い。

とは言っても、やっぱりゾンビ映画なので、かなりブラックな内容にはなっている。天使のような顔をした主人公の少年が、ゾンビ化した隣人をスコップで殴り殺したり、主人公の母親がゾンビ化した息子の友だちを撃ち殺したり。でも、残酷な殺戮シーンを直接的には描いていないので、ブラックではあるけれども、グロではない。あくまでもファンタジー。

使用人・ファイドに心を寄せ始めた主人公の母親が、「あなたが死ぬ前にあなたに会いたかった」と言うシーンは本当に切なくなる。自分も、出会えるはずの人と出会えずに終わっていくのかなと、何だか悲しくなった。ずっと一緒にいたい人は、ゾンビ化してもずっと一緒にいて欲しい。

頭の中を空っぽにして素直に見ていただきたい作品。

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