「ゾンビ」同様です

ある日突然人間が生き返る、その理由は語られないという点はロメロ監督の「ゾンビ」同様です。
違うのは、生き返った後もまったく同じ人格のままという部分です。
生まれたての動物が本能的に立とうとするように、これまでのゾンビは当たり前のように人間に襲い掛かってモグモグGOMBOしてしまうものでしたが、この映画のゾンビは「食いたいけど、それは人としてどうか」と悩んでしまうのです。
ゾンビとなっても仕事を続けたり「癒しの場」で語り合ったりと、人間としての尊厳を失うまいとするゾンビのみなさん。
対して、「死ぬんならちゃんと死んでろ!」と無抵抗のゾンビのみなさんを暴行し迫害する人間ども。
この辺の描き方は完全に「ゾンビ側」の視点で描かれています。
「おまえら、もう怒ったぞ!肉食うぞ!!→あら、美味しい。」
ということで、人間対ゾンビの仁義無き抗争が幕を開けます。
前半は執拗に「ゾンビはつらいよ」なシーンがシリアスに描かれるのですが、ここまで悲惨なゾンビは初めて見ました。
ロメロのゾンビ映画でもゾンビはマイノリティ、弱者の象徴でしたが、この映画ではかなりそこを強調しています。
ここのドラマ部分が非常に面白く、この映画を個性的なものにしています。
しかし、終盤になるとみんなゾンビになってヤケクソのように殺しあうだけになってしまうため、若干拍子抜けしてしまいました。
基本は低予算映画なんで、アクション部分はモッサリしていて単調なんですよね。
感情を持っているからこそ、ゾンビになっても殺し合いを続けてしまうという点(結果、自滅していく)は、痛烈な皮肉となってはいますが。
ただ、ゾンビ愛してます!という制作者の気持ちは溢れんばかり伝わってきます。
ゾンビ映画を愛して止まない人には強くオススメします。

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