ハイテンション

親友のアレックス(マイウェン)のお家にお泊りでやってきたショートヘアーの美女マリー(セシル・ドゥ・フランス)。彼女をアレックスの両親や幼い弟、そして大きなわんこも優しく受け入れてくれます。
ところがマリーが寝ようと思ってベッドに横になったら突然ドアのベルが。アレックスの父が様子を見に玄関口に向かうといきなり刺された!しかも逃げようとするパパの頭を階段の手すりの間に挟み込んで、横から家具でグシャリ!はい、いきなりスプラッタファン歓喜で掴みはオッケーの残忍なやり口です。この殺人鬼は汚いツナギとボロボロのキャップを被った謎のおじさん(フィリップ・ナオン)。
そして逃げまどうセシルの眼前でわんこもアレックスの母も弟さんもどんどんぬっ殺されていく!
しかし親友のアレックスは何故か殺されることなく、ベッドに拘束されてました。そしておんぼろのトラックに乗せられ、どこかに連れ去られるアレックス。何とかトラックの中に忍び込んだマリーも、一緒にトラックの荷台に監禁されてしまいます。たどり着いたのは郊外のガソリンスタンド。ここでも店員さんを斧で軽く惨殺!一旦トラックの外に出て難を逃れたマリーですが、電話で警察に助けを求めても反応はイマイチ。なのでガススタに停めてあった車に乗込んで、再び殺人鬼の乗った車を追うことになるのです。
果たして、マリーは殺人鬼を倒しアレックスを救うことができるのか・・・?・・・と思ったら、ガソリンスタンドの監視カメラの映像には思わず「え?」と声を上げずにはいられないどんでん返しが映し出されています。
まあホラー映画何本も観てると、この結末もある程度想像できちゃう気もするんだけどね。
でも、このアレクサンドル・アジャという映画監督がホントにホラーが大好きなのがよく伝わるお話。凄く王道に沿った作りになってますね。

非常に作りが丁寧

マリーは試験勉強をするためにド田舎にある友人宅にやってきた。ところが、その家に謎の殺人鬼が現れ友人一家を殺害、友人を拉致した。マリーは自らが助かるために、そして友人を守るために戦うが…。

とまあ、ストーリーは至ってシンプル。が、普段アメリカ製のホラーばかり見ているせいか、フランス製の本作は非常に作りが丁寧であるように感じられる。とにかく、恐い。とにかく、ハイテンション。ずっと緊張して見続けることになるので疲れる!でも、平和な道中から一転、殺人鬼の登場と同時に主人公の主観視点に移り、視聴者が主人公に自己同一化することになる流れは実にスムーズで、感心した。マリーが何とか助かろうと部屋の中を見回し、武器になるものはないか、外部と連絡を取る手段となるものはないか、探すところなんかは、マリーと一緒に「な、何かないの? そ、それは? ダメだ、じゃあそれは?」と必死に探してしまう。それゆえ、まさに手に汗握って見ることを強要されるのだが、それがたまらない!

オチを「うわー! そうだったのか!」と驚く人もいれば、「え〜、おかしくね?」と思う人もいるだろう。ただ、私はオチに関してはどうでもいい。とにかくそこまでがとてもよくできているから。

非常に良質のホラーだと思うのだけれど、DVDのジャケがしょぼい。特典映像で監督のインタビューが付いていたけれど、インタビューされている監督の後ろに貼ってあったポスターをジャケにした方が、異様さがシンプルに表現できていいと思うんだけど。

直球のフレンチホラー

タイトルのイメージから、公衆電話に並んでいたゾマホンが割り込んできた松野明美と口論になり、なりゆきでラブホテルに行くが、がっつく松野明美に対してゾマホンは不本意でそれが原因でまたもや口論になり、それならメシを食いに行こうということになるが行きたくないゾマホンに対してなんでも食べたい松野明美が逆上して路上でゾマホンがいやらしい意味で食べられるという、ピンク映画と思っていたのだけど、直球のフレンチホラーでありスラッシャームービーだった。

ボロ車に追いかけられるカーチェイスやチェーンソーを手にした異常者など、『激突』『悪魔のいけにえ』といった往年のホラーでよく見られるシチュエーションが多々あるし、だいたいどのホラー映画でも見たことがあるようなパターンにもかかわらず緊張感が持続しているのは、アレクサンドル・アジャ監督の演出力の巧みさ故だろう。ホラーが好きで好きでしょうがない監督さんが過去の名作への敬意と愛情をいっぱい注いで撮った1本って感じで、血の量は申し分なし。

その演出に100%の力で応えた主演のセシル・ドゥ・フランス、ヴィスコンティや『サンゲリア』などのルチオ・フルチ作品で特殊メイクをしていたジャンネット・デ・ロッシなど誰もが素晴らしい仕事をしている。賛否両論のトリックを含め個人的にはアリだし、アジャ監督を追い続けるきっかけになった思い入れのある作品。見て損はない、シュッとまとまった快作です。

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