いわずと知れたシチュエーションホラーの元祖

「ごく普通に日々を過ごしていただけなのに、目が覚めると知らない場所に居た」
そんなシチュエーションホラーの元祖と言われている映画です。

その名の通り、キューブ型、立方体型の部屋で6人の男女は目覚めます。
部屋の壁の中央にはそれぞれ扉があり、移動出来ます。
しかし各部屋には様々なトラップが仕掛けられており、その様がリアルに描かれています。
ある部屋では少しでも動けば死に、ある部屋では少しでも音がすると死に……。
なので、グロテスクな描写が苦手な方にはあまりオススメ出来ないです。

実は私、この映画はかなり幼い頃にテレビで放送していたのをみたことがあり…
幼い子供にはかなり強烈なものでした。
逆に大人になってホラーを見慣れている今、「あれ?こんなもんだったっけ?」と思いましたが。笑

さて、シチュエーションホラーの醍醐味といえば、人間関係。
特に数人の男女がひとつの部屋に閉じこめられているとなると、大変です。
この映画は、人間の底にあるモノを「ホラー」としている映画の一つでしょう。
あんまり詳しくは書けませんが、事態はどんどん大きくなっていき、散々な事になっていきます。
その結果が賛否両論であるのも否めませんが、私はあのラストで大満足でした。

賛否両論されていることの一つに、謎解きがあります。
この謎解き、少し数学がわかるわ、という方は突っ込みどころがあるようです。
しかし私のように「数学なんかさっぱり!」という人は、まず考えもしないと思います。
何にせよ、この映画の醍醐味は謎解きでは無いと個人的には思うので、
よっぽど「数学大好き!」な気になる方以外は気にしないで良いと思います。笑

「セットはひとつ、登場人物は7人のみ」という低予算で、完全に入り込める映画がこの映画です。
この映画は「CUBE」ですので、レンタルされる際は便乗・類似作品にご注意を。

決死の脱出行

奇才・ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の代表作。

謎の立方体に閉じ込められた人々の決死の脱出行を描いています。

この映画が登場した当時、かなりのセンセーションを巻き起こして、それこそレンタルビデオ屋の棚に、本作とは何の関係もないパチモノの「なんとかCUBE」がたくさん並んだものです。

「デスキューブ」とか、色々と何本か観ましたが、当然のことながらオリジナルの本作を超えるものなんて一作もなかったですねえ。

正式な続編「CUBE2」「CUBE ZERO」も、ナタリ監督じゃないからなのか、まったく完成度が低い、残念な出来でした。

この映画は名作の誉も高い、ファンの多いスリラーですが、かなりの低予算で作られています。

舞台は立方体の部屋の中だけ。壁の色を変えて、多数の部屋があるように工夫して見せているんですね。

登場人物も10人にも満たしません。無名の(だけど巧い)俳優さんたちを使っています。

予算がなくてもこれだけ面白い映画が撮れるということを証明してみせたと言えるでしょう。

立方体の部屋には侵入者を殺すための様々なトラップが設置されており、特に冒頭のホラー映画顔負けの切り株描写は鮮烈で、完全に掴みはオッケー!って感じで映画にはいってゆけます。

しかし、「CUBE」の本題は決してホラーではなくて、極限状態における人の心の変化や不条理なキューブの存在意義にあると思います。

そのあたりが薄味になってしまった続編も、どうせ作るなら本来のテーマに沿って製作してほしかったかな。

黒幕の存在なんて、「CUBE」という映画に限っては、どう料理しても陳腐な味にしかならないですから。

出口の見えない迷宮の恐怖

ゲームの中でのダンジョンは、魔物も出てくるし、ボスキャラもいるし、でも最後は主人公もハッピーにそこから抜け出せるものですが、迷宮は違います。そういった意味では、久しぶりに、かなりゾクゾクさせられた映画でした。

ホラーとしてのグロさもしっかり入っていますが、そんな事よりこの映画は、もっと違うところに恐怖を持って行っています。物語を言葉にすると単純で、数人の男女が、理由のわからないままに謎の部屋に閉じ込められて、その部屋はハッチを通して同じ大きさの部屋にたくさん繋がっていて、罠なんかもたくさんあって、それでも出口を目指すという話です。やはり単純ですよね。でも、その単純さが逆に物語へ飲み込まれて行く要素になっています。ハッチを抜けた先に何があるのか、観ている方も手に汗握りながら、いつしか自分もそこにいるような感覚になったりしてきたら、楽しさも倍増です。

ここで怖いのは、怪物でも幽霊でもなく部屋です。部屋が生き物のように思えてきます。罠を抜けて、段々と人が死んでいって、本当にたどり着けるかどうか分からない出口を目指す。多少の謎解き要素もあり、人間関係の善悪も描かれていて、死亡フラグもしっかり立って、ホラーとしては、一つの代表作に思います。流れを考えると、これが『SAW』にも繋がったのかなとも思ってしまいます。

そして、実はこの映画は映画、私が想像するにかなりの低予算で出来ていると思うのです。凄いです。お金がなければ面白い映画を作れないわけではなく、やっぱり発想が大切なのだと思い知らされました。

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