怖さがじわじわ効きます

ホラーと知らずに借りたのですが、とても怖かったです。
基本的に静かです。
映画を見た後も、怖さの余韻が長く続きました。
夫婦が車で移動していくのですが、人が死んでいく前に決まった音楽が流れます。
中盤くらいになると、その音楽が流れると、人が死ぬんだという思い込みがインプットされて
心理的に人が死ぬ前に音楽自体が怖さになりました。
作者はそういうことも計算してつくられたのだろうと思います。
死に方も、静かです。
派手なアクションや罵声や大声はなかったような気がします。
街にたどりついて、森をみると、人がたくさん吊るされて死んでいたりします。
亡くなる合図の音楽が流れてから、人が後ろ歩きをしはじめます。
するともう死んでしまうなという感覚が、何度も繰り返されていくうちに覚えてしまいます。
華がないだけに怖さが余計に際立った映画でした。
死んだ世界では、全てが裏返しや逆さという話を聞いたことがありますが、後ろ歩きを始めたら、死の合図というのも
そういう意味を含んでいたように感じます。
非常に不気味です。
怖い映画というより、不気味な怖さがあります。
そして怖さが残ります。
さっぱりせずに、映画を見終わった後もしばらく思い出して怖くなりました。
血や派手な演出無しに、これだけ静かに怖く、心にじわじわ残る映画というのは、珍しいと思いました。
静かで不気味で、暗くて音楽と画で怖さを心理的に演出する作者のテクニックはすごいと感じました。

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