現代社会の必需品を用いた時間的ホラー

邦画ホラー映画の金字塔とも言われる『着信アリシリーズ』は、現代社会では必需品となった携帯電話を用いた呪いが中心となって物語が展開する純ホラーです。

特筆すべきは携帯電話という身近なものを用いたことで、十分なリアリティを持たせつつ、なおかつ呪いという非現実的なものに親しみやすい恐怖を演出する設定です。

物語のあらすじは主人公の中村由美が参加した合コンで「死の予告電話」を受けてしまった岡崎陽子が呪いの被害者となったところから物語が始まり、主人公の中村が一連の事件の被害者の一人である山下律子の兄、山下弘と協力して呪いの正体を解き明かそうとする物語です。

作りこまれた世界観と携帯電話を用いた恐怖演出が丁度いい具合に噛み合っており、グロテスクな描写を極力抑えつつ生理的な恐怖を視聴者に与える技術は素晴らしい物があります。特に「死の予告電話」には被害者が死ぬ直前の声が入っており、それが余計に強い恐怖感を煽り立てます。

物語そのものも中途半端に終わること無く歯切れのよい場所で終了するので、次回作にも期待できることから良作と言えるでしょう。呪いの正体についても明かされるので、深い疑問が残ったまま終了するわけではないので、ホラー映画の中では見やすい部類に入ります。

ただその終わり方が少々独特なのと、結局救いがないということから、バッドエンドが苦手な人はストーリーそのものが苦手という場合もあります。また、他のホラーに比べてグロテスクな描写は少ないですが、一部に強いグロテスクなシーンがあり、慣れていない人は気分を害してしまう場合もあります。

ですが、あくまでも携帯電話を用いた恐怖の演出には優れているので、作品としての完成度は高いものとなっています。

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